F/A-18「スーパーホーネット」初飛行-1995.11.29『トップガン マーヴェリック』でも勇姿を披露
「一芸に秀でる者は多芸に通ず」を体現した名機へ
その後、2001(平成13)年には実際に任務が行えること意味する初期作戦能力(IOC)がアメリカ軍から付与されると、それ以降はF-14「トムキャット」を運用する飛行隊には複座のF型が交代する形で更新が進み、5年後の2006(平成18)年にはF-14「トムキャット」がアメリカ海軍から完全退役しています。
また、既存のF/A-18「ホーネット」を運用する飛行隊も「スーパーホーネット」へと切り替えられ、2022年現在、アメリカ海軍で従来型「ホーネット」を運用するのは試験飛行隊など副次的な任務を行う部隊だけとなっています。なお、アメリカ海軍のアクロバット飛行隊である「ブルーエンジェルス」も、長年に渡ってF/A-18「ホーネット」を使用していましたが、2020年に「スーパーホーネット」に乗り換えています。
先代戦闘機のF/A-18「ホーネット」は対空対地の両方の任務が可能な「多芸」な戦闘機でした。しかし、それ故に、それぞれを先任とするF-14「トムキャット」戦闘機やA-6「イントルーダー」攻撃機などと比べると航続距離などで劣る部分があり、「なんでもできるが、優れた部分もない」という低い評価をされることもあったとか。
しかし、「一芸に秀でる者は多芸に通ず」という言葉の通り、改良されたF/A-18E/F「スーパーホーネット」はそれら既存機を更新する次世代機として幅広く運用されており、何でもこなす万能機として空母航空団が担うミッションのほとんどを一手に引き受ける万能機となったのです。
ある意味、ここまで成功してしまうと後継機の開発・採用はかなり難しいといえるでしょう。ひょっとしたらF/A-18E/F「スーパーホーネット」はアメリカ海軍史上、最も現役期間の長い艦上戦闘機になるかもしれません。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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