日本では体験できない!「列車に乗ったまま船へ」 鉄道連絡船の車両航送

寝台列車に乗ったまま船へ!

 シチリア島に鉄道が開業したのは1860年代後半で、メッシーナ駅まで路線が延びました。イタリア本土でも1870年代から次々と開業し、1890年代にはメッシーナ海峡の船舶航路が開始。1900年代初頭には車両航送が開始され、やがて寝台列車も航送されて、本土とシチリア島を行き来しました。

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寝台列車の乗客が数人甲板に上がり、まだ白む前の夜風にあたりながら短い航海の時を過ごしていた(2018年11月、吉永陽一撮影)。

 メッシーナ海峡の鉄道連絡船は開業当初、本土側の駅はレッジョ・ディ・カラブリアでした。その後メッシーナ駅から海峡を挟んで目と鼻の先にあるヴィラ・サン・ジョパンニ駅に航送設備を配し、1905年から本土側はこの駅が玄関口となり、現在に至るまでヴィラ・サン・ジョパンニ~メッシーナ間を結んでいます。両駅は地図の実測で6kmほどしか離れておらず、お互いに対岸がよく見えます。我々にとっては、関門海峡の壇ノ浦がイメージとして近いかもしれません。

 さて、ローマのテルミニ駅21時31分発の寝台列車「IC Notte」に乗車して、カターニャ駅まで向かいます。ICとはインターシティ(都市間連絡列車)、Notteとはイタリア語で夜を意味し、日本の寝台特急にあたります。

 私たちが乗車する寝台車は「Deluxe」と車体に描かれ、1~3人まで利用できる個室車両です。部屋は3人利用の3段寝台がセッティング済み。もう1人イタリア人と同席でした。相席となって3段寝台で過ごす列車も、日本では味わえません。少々狭く感じますが、この状態で連絡船に乗り込む経験は貴重です。

 この列車で気をつけなければならないのは、メッシーナ駅からカターニャ行きとパレルモ行きに分かれること。号車によって目的地が異なると、あらぬ方向へ行かされるケースもありますが、乗車時に車掌の検札があるので一安心です。

【写真】船の中に線路! 非日常「車両航送」体験

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コメント

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2件のコメント

  1. 2005年に乗ったよ!😋

  2. 私は、昭和26年の8月に宇高連絡船の車両航送で、予讃線から列車に乗ったまま宇高航路、宇野線、山陽
    線経由大阪梅田まで乗り換えなしで言った記憶があります。夏休みでしたが、船に閉じ込められた列車は
    暑くて大変でしたが、列車1両につき2~3本の氷柱が立てられて、乗客の皆さんが代わる代わる手拭い
    を押し当てていましたよ。車両航送は上り下り各1列車のみ運行で日付の変わった深夜に乗車するのが難
    でしたが、連絡船の乗り換えも大変でしたから楽ちんな面もありました。ことに宇野港では第一桟橋に着
    いた場合、乗車するホームが改札口近くの時は200m以上走って乗り換えるのは辛いものでした。
    母の姉や従姉妹が京阪神に住んでいましたので、毎年夏冬休みに行っておりましたから、列車の旅の記憶
    は沢山あります。