日本では体験できない!「列車に乗ったまま船へ」 鉄道連絡船の車両航送

降車し船の中へ出られる

 メッシーナ海峡を壇ノ浦と例えるならば、下関駅から航送され、門司港駅で鹿児島本線と日豊本線へ分かれるといったところでしょうか。「IC Notte」は2022年現在も走っており、2方向へ分岐する運転方法も同じです。

 メッシーナ海峡越えは朝方の4~6時台です。ヴィラ・サン・ジョパンニ駅到着後、列車は構内側線へと回送されました。そこでスイッチバックして船の停泊する場所へ走り、いったん停止。しばらくしてバック。その繰り返しです。ここで行われているのは、ディーゼル機関車に控車を連結した入替機関車が客車を連絡船に押し込み、船内で3~4両を1ユニットとし、編成を解いたら列車をバックさせ、船内の転轍機を変えて転線……というものです。

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「Deluxe」と「Excelsior」の合造車。日本でいうところの「北斗星」のロイヤル・ソロ合造車オロハネ25-500のような車両だ。「Excelsior」には4つ星が描かれている。日本のブルートレインではカルテットが4つ星であった(2018年11月、吉永陽一撮影)。

 連結器はスクリュー(ネジ)式なので、連結と解放作業は時間がかかります。その作業を繰り返し、数十分後に連絡船へ向けて動き出すと、可動橋を伝って船内へ入っていきました。やっとかという気持ちで見守っていたら、あっという間に船の中。車両甲板はカーフェリーと同じような空間でした。

 ただフェリーと異なるのは、自分が列車に乗ったまま船に積まれること、船に線路が敷かれていること。船内では線路が4線へと分岐しています。さらに、車内にずっと閉じ込められているのではなく、客車ドアが開き、上部甲板へ移動もできます。

 では降車してみます。クルマではなく客車が船内にあること自体が不思議な光景で、何もかもが新鮮。日本での鉄道連絡船による車両航送では、職員のみが見られた光景ですが、メッシーナ海峡では日常的に乗客も見られます。この時は陽気な作業員に囲まれ、「日本から来たのか!写真撮ってくれ!」と撮影大会になりました。

【写真】船の中に線路! 非日常「車両航送」体験

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コメント

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2件のコメント

  1. 2005年に乗ったよ!😋

  2. 私は、昭和26年の8月に宇高連絡船の車両航送で、予讃線から列車に乗ったまま宇高航路、宇野線、山陽
    線経由大阪梅田まで乗り換えなしで言った記憶があります。夏休みでしたが、船に閉じ込められた列車は
    暑くて大変でしたが、列車1両につき2~3本の氷柱が立てられて、乗客の皆さんが代わる代わる手拭い
    を押し当てていましたよ。車両航送は上り下り各1列車のみ運行で日付の変わった深夜に乗車するのが難
    でしたが、連絡船の乗り換えも大変でしたから楽ちんな面もありました。ことに宇野港では第一桟橋に着
    いた場合、乗車するホームが改札口近くの時は200m以上走って乗り換えるのは辛いものでした。
    母の姉や従姉妹が京阪神に住んでいましたので、毎年夏冬休みに行っておりましたから、列車の旅の記憶
    は沢山あります。