「ホームドア乗り越え事故」連日発生 万全ではないホームドア

整備費、事業者だけでなく利用者も負担へ

 そもそも日本でホームドアの設置が加速するきっかけとなったのも、JR山手線の目白駅(東京都豊島区)で2011(平成23)年1月に発生した、目の不自由な人の転落事故でした。翌2月からは国土交通省が「ホームドアの整備促進等に関する検討会」を開催し、8月には「1日の利用者数が10万人を超える駅には、ホームドアもしくは内方線付き点状ブロックの整備を優先して速やかに実施」するよう求めています。都市部を中心に、国や自治体の補助を得ながら少しずつホームドアは設置されていきました。

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東京メトロ南北線の、フルスクリーン型のホームドア(2021年12月、大藤碩哉撮影)。

 それから10年。国は利用者の負担を得ながら鉄道駅のバリアフリー化を進める「鉄道駅バリアフリー料金制度」を2021年12月に創設しました。運賃は値上げされるものの、その加算分はホームドア設置に活用できるというものです。2022年11月までに、JR東日本や西日本、東京メトロ、小田急電鉄、京阪電気鉄道、西日本鉄道など全国で16の鉄道事業者が適用申請をしています。

 人身事故は、例え事業者側に非がなくとも、ひとたび列車が運休すれば社会に与える影響は大きいものです。利用者や沿線住民の信頼で成り立つ公共交通機関は、常に安定した輸送を実現するためにも、ホームドア設置により一層注力していくでしょう。

【了】

【写真】世にも奇妙な「斜め」ホームドア

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コメント

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1件のコメント

  1. 転落事故防止用の為のホームドアなんだから当たり前だろ
    何言ってるんだこの記事は