タイヤ会社が生みの親「スーパーコルセア」高性能なのにナゼ消えた? 根底に垣間見える米国の凄まじさ

世界三大タイヤメーカーのひとつである米グッドイヤーは過去、戦闘機を開発したことがあります。初飛行し、高性能だったのに大量生産されなかったそう。ただ、その経緯を見るとアメリカが持つ国としての底力を垣間見ることができました。

「ス―パーコルセア」開発なぜグッドイヤーに依頼?

 一見すると航空機生産など行えなさそうに思えるグッドイヤーがF4U「コルセア」の生産を担うことができたのは、同社が飛行船の開発や運用にかかわっており、そのための航空機部門を持っていたからでした。

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ヴォートF4U「コルセア」。同機のライセンス生産をグッドイヤーは担っていた(画像:アメリカ海軍)。

 こうして、F4U「コルセア」戦闘機の生産を行うようになったグッドイヤーですが、1944年初頭にアメリカ海軍から、より高性能な「コルセア」の開発を依頼されます。なぜ同機の生みの親であるヴォート社に依頼するのではなく、それ以外のメーカーだったのかというと、本家ヴォート社は、オリジナル「コルセア」の生産で手一杯だったからです。

 そこでブリュースター社とグッドイヤー社のどちらに開発を発注するかアメリカ海軍は天秤にかけます。すると、前者が生産した「コルセア」には不良個所が多発するという技術的な問題があり、加えて金銭にまつわる不正行為などから会社はガタガタでとても新機種の開発を依頼できる状況にはありませんでした(1944年10月に会社閉鎖の決定、1946年に倒産)。このような状況だったため、改良型「コルセア」の発注先にはグッドイヤーが選ばれました。

 こうして生まれたのがグッドイヤーF2G「スーパーコルセア」です。同機がオリジナルのF4U「コルセア」と決定的に異なる点は、プラット・アンド・ホイットニー製のR-4360ワスプ・メジャーという、空冷星型28気筒で3000馬力を発生する「怪物エンジン」を搭載した点です。加えて、視界をより広げるために、コックピット周りを改め、後方に支柱やヘッドレストなどがある従来のファストバック型風防から、全周にわたって視界がクリアな水滴型風防に変更していました。

【写真】後ろ姿は案外違う? 「スーパーコルセア」を色んなアングルから

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