不審船と新型コロナ両方に対応! 海保の最新巡視船「きりしま」引渡し 配備先は宮崎・日南

海上保安庁の新型巡視船「きりしま」が造船所から引き渡されました。同船は巡視船艇として初めて感染症患者の隔離区画を設けているのが特徴とのこと。海域警備に加え、各種救難任務にもあたる最新鋭船を隅々まで取材してきました。

配備先は日向灘に面する宮崎県

「きりしま」の船内に設けられた隔離区画は、正式名称「感染症患者搬送区画」といい、日本周辺を航行する各種船舶で新型コロナなどの感染者が発生した際に、陸上の医療機関への搬送が必要になることを想定したものだそう。

 救助に当たる巡視船と海上保安官への影響を最小限に抑えるため、患者を運び入れる区画向けに専用の空調と水密扉を整備。室内の気圧を外より低くした陰圧室としての機能を持たせ、船内におけるウイルス拡散を防ぎます。

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巡視船「きりしま」とともに記念写真を撮る乗組員や関係者(深水千翔撮影)。

 隔離区画は船内を経由せずに外から直接、感染症患者を運び込める構造となっており、担架に乗せたまま寝かせられるスペースが確保されていました。さらに専用のトイレやインターホンが設けられ、患者が船内の他の区画に移動しなくても良いようになっています。

 巡視船として必須装備の目標追尾型遠隔操縦機能(RFS)を備える20mm機関砲や赤外線採証装置、暗視装置、高速警備救難艇などは、最新型のものを搭載。停船命令等表示装置はフルカラーのものが両舷に設置されています。調理室にはIHクッキングヒーターが置かれており、揺れる船内でも火を使わず安全に調理ができます。

 式典において海上保安庁長官の訓示を代読した第三管区海上保安本部の天辰弘二次長は、「宮崎県は、南海トラフ地震やそれに伴う津波の発生が懸念されており、巡視船の新造は地元の期待が高いと聞いている」と話したうえで、「自然災害に対し高度な捜索監視能力や情報伝達能力などを備えた本船は地域の方々への安心、安全に大きく寄与できるものと確信している」と述べています。

「きりしま」は、九州南方海域を主に担当する第十管区海上保安本部の宮崎海上保安部(宮崎県日南市)に配備される予定です。

【了】

【トイレや調理室も】最新巡視船「きりしま」を外も中もイッキ見

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1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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