東京BRTどうなる? 突然の「臨海地下鉄」構想に透ける都の思惑 “名ばかりBRT”は改善されるのか
晴海フラッグの浮沈を握る東京BRT
東京BRTの“プレ二次開業”では、環2通り沿いに豊洲・有明・東京テレポートへ向かう路線を新設。すでに国土交通省に申請を提出しており、2023年初頭には動きがありそうです。
そして、五輪選手村跡地に整備中の大規模マンション群「晴海フラッグ」への乗り入れも予定されています。晴海フラッグのウェブサイトでも「新橋・虎ノ門へダイレクトアクセス!」と謳われている東京BRTは、この街の移動手段を担うべく、運転本数なども大幅に増加する見込みです。
晴海フラッグは分譲戸数にして4000戸以上(賃貸棟も含めると5632戸)、想定人口は1.2万人ほど。分譲の規模で言えば、東京都が年間に供給する新築マンションの約3割に相当します。他の湾岸地域のマンションより格安だったこともあり、第1期分譲は平均13.9倍の競争率を記録。2024年3月の入居開始に向けて、あとは最終期(第3期)分譲とキャンセル分の販売を残すのみです。
ここは大江戸線の勝どき駅から2km以上(徒歩20分強)離れているうえ、駐車場設置率も4割少々であるため、やはりバスが主たる移動手段となりそうです。都営バスの乗り入れも予定されているものの、多量輸送となると、連節バスに強みを持つ京成バスが運行を請け負う東京BRTにかかっていると言っていいでしょう。
ただ現状の東京BRTは前述の通り整備が追いつかず、現状では「鉄道はまだないけどBRTはある」ではなく、「BRTと名前の付いた路線バスがある」という、実に名ばかりの状態なのです。
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