臨海地下鉄で「つくば~羽田空港」直結!? "東京~有明"事業計画発表 途中駅は5つ
ただの晴海・豊洲線から、どんどんスケールがでかくなってきました。
事業化をめざして調査・検討していくと宣言
東京都は2022年11月25日(金)、かねてより構想が進められていた地下鉄新線「都心部・臨海地域地下鉄」について、事業計画案を発表しました。
「都心部・臨海地域地下鉄」は東京駅を起点に、勝どき、晴海を経由し、有明方面へ向かうもの。これまで新橋・豊洲からゆりかもめ、大江戸線に乗り換える必要があったこの地域が、ターミナル駅である東京駅から直結することで、飛躍的にアクセスが向上することとなります。
今回の発表では、仮称駅として東京、新銀座、新築地、勝どき、晴海、豊洲市場、有明・東京ビッグサイトの7駅が挙げられています。
案では「まず臨海地下鉄の単独整備を検討していく」としたうえで、さらに将来的に、秋葉原~東京の連絡線によりつくばエクスプレスと接続、さらに有明では羽田空港アクセス線と接続することで、最終的に「つくば~羽田空港」という広域鉄道ネットワークを実現するべく、「今後検討」していくと明言しています。
羽田空港アクセス線はすでに2021年に事業認可され、複数のルート案のうち「東京駅直結ルート」が2029年開業目標で具体的に動き出しています。
この「都心部・臨海地域地下鉄」の構想は、2016年の交通政策審議会答申で位置付けられたものです。当初は「事業性に課題があり、事業計画について十分な検討が行われることを期待」とされていましたが、2021年の審議会答申では「事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきである」と、言葉が前向きになっていました。
今回の事業計画では、概算事業費が約4200億円~5100億円。30年で黒字転換して、費用便益比は事業化最低ラインである1.0に対して「1以上」としています。
これまで構想にすぎなかった臨海地下鉄が、いよいよスタート地点である「事業化」に向けて動き出した瞬間です。悲願だったつくばエクスプレスの東京駅方面乗り入れとあわせて、またひとつ首都圏の鉄道の未来に新たな道筋がついていきます。
都内の地下鉄新線計画は、ほかにも有楽町線の豊洲駅から北上し半蔵門線の住吉駅にいたる通称「豊住線」、南北線の延伸計画「白金高輪~品川」が動き出しています。
【了】
スケールが大きくなったものは、最終的に膨張しすぎて計画倒れに終わるという。