通勤形から大変貌 阪急「京とれいん 雅洛」 車内に枯山水の庭!? もはや“走る名所旧跡”

2022年12月、阪急線での「京とれいん」の運行が終了しましたが、「京とれいん 雅洛」は引き続き活躍します。料金不要の観光列車として日本有数のハイグレード車両です。ただ、元は通勤形というのですから驚きです。

前代の「京とれいん」を継承しつつ

 阪急電鉄の観光列車「京とれいん」が2022年12月11日に引退し、「京とれいん 雅洛」のみとなりました。特別料金不要の列車としては、最高級の設備をもった車両です。

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観光列車「京とれいん 雅洛」の阪急7000系電車(2022年12月、安藤昌季撮影)。

 コンセプトは「ご乗車されたときから京都気分」。「京とれいん」の「和・モダン」と「京町家」を継承しつつ、1両ごとに季節とテーマを定め、乗車そのものを何度でも楽しめる車両としています。種車の7000系電車は通勤用として阪急神戸線で使われていましたが、観光列車へ転用するにあたり3扉を2扉に変更して誕生しました。

 ちなみに「雅洛」とは「雅びな都へ向かう列車」として、「雅」に中国の都を意味する「洛」を組み合わせたものです。

「京とれいん 雅洛」は6両編成ですが、通勤形の面影を全く残さないくらい、全車両が徹底的に改造されています。号車ごとにテーマが設定され、1号車は「秋」です。外装では描かれた扇の中に、紅葉文様を代表する「流水に楓」があしらわれています。

 内装は1車両の中に4種類の座席を採用する、非常に凝ったつくりです。運転席の後ろと車端部はロングシートですが、運転席の後ろでは前面展望も楽しめます。その反対側の車端部は、ロングシートが通路側へL字に曲がっており、運転席後ろとは全く異っています。このほか障害者対応席として、1人掛けのクロスシートが1席だけ設けられています。ちなみに、座席指定などはない列車のため、ロングシート部分にはつり革もあります。

 扉と扉の間は、初代「京とれいん」で好評の半個室状の畳を使った1+2列クロスシートです。座席間隔は1815~1850mmとゆったりしており、非常に快適です。

【写真】「京とれいん 雅洛」の外観・車内をたっぷり見る

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