誰も望まなかった“劣化版”F-16戦闘機なぜ開発?「標準モデルはダメ」米国方針の顛末

いまから40年以上前、アメリカは台湾に対してわざと性能を下げたF-16戦闘機を輸出しようとしました。しかし目論見は外れ、しかも当の米政府自身が外交方針を転換したことで開発中止になっています。一体どんなモデルだったのでしょう。

F-16/79が誕生したきっかけ

 F100ターボファンエンジンとJ79ターボジェットエンジンを比較すると、後者は推力が2割以上も低く、燃料消費量も多いために航続距離も短くなっていました。さらに、J79はF-16の機体フレームに対してエンジンが大きいため、機体後部をそれに合わせて延長。稼働時のエンジン過熱もF100より高温になることから、熱対策のスチール製シールドを機内に新設し、空気取り入れ口の形状変更も必要でした。結果、これら対策を施したことでF-16/79は、オリジナルのF-16Aよりも重量が約1tも重くなっていました。

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飛行中のF-16/79の試験機(画像:アメリカ空軍)。

 オリジナルのF-16Aよりも性能が劣るF-16/79がわざわざ生み出された理由は、当時のアメリカ大統領であったジミー・カーターの外交方針によるものでした。1970年代後半、カーター政権の方針によってアメリカ軍が運用している最新鋭機の輸出が禁じられ、輸出を行うにはそれらよりも性能を下げたモンキーモデル的な機体(もしくは輸出専用モデル)を開発する必要があったからです。

 このような制限が課された理由はいくつかありますが、そのなかには最新鋭の機体を他国に渡したくないことや、輸出することでその周辺国とアメリカが外交的な軋轢を生むことを避けたいという思惑があったようです。

 なお、カーター大統領の政策に応じて輸出専用の戦闘機を開発したのはジェネラル・ダイナミクス社以外にもありました。それはノースロップ(現ノースロップ・グラマン)社です。同社は、輸出用戦闘機であるF-5をアップグレードしたG型(後のF-20「タイガーシャーク」)を開発しています。

【今でも見られる!】F-16/79戦闘機として生まれた機体の現在の姿

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コメント

2件のコメント

  1. >>1970年代後半、カーター政権の方針によってアメリカ軍が運用している最新鋭機の輸出が禁じられ

    この部分は、イラン革命が大きな影響を与えていますね。

    アメリカ以外で唯一、当時の最新鋭戦闘機F-14を配備していたイランに宗教革命が発生して反米政権が誕生したことにより、アメリカが脅威を感じた事が大きいと思います。

    この革命により当時の最新鋭戦闘機F-14の技術等がソビエト連邦に流れたのは、その後のF-14の保守部品の入手方法等を考えれば容易に想像できます。

  2. その後、対日外交のため再度劣化版としてF-2が誕生するのです。

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