「大江戸線」新宿スルーだったかも? 全通までの紆余曲折 一時はモノレール構想も

東京都心の地下で環状線を形成する都営大江戸線ですが、現在の「6の字」運転になるには、経由地も含めて紆余曲折がありました。一時は計画が凍結されたほどでしたが、今や大規模災害時には、人々を救う使命まで与えられています。

凍結された12号線計画

 とはいえ当時、都電の廃止が進む一方、代替交通機関と位置付けられた都バスも交通渋滞の悪化で定時運行が困難な状況に陥っており、新たな交通機関の必要性は高まっていました。そこで地下鉄より安価なモノレールで、新宿から池袋、王子、町屋、三ノ輪、両国、深川、月島、浜松町、恵比寿を経由して新宿に戻る、総延長約35kmの環状線を整備する構想が浮上しました。

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光が丘につながる「放射部」が加わった12号線の計画ルート(都市交通審議会答申第15号を枝久保達也が加工)。

 当時の美濃部亮吉都知事の私的諮問機関「都モノレール調査研究会」が、世界に例を見ない長大環状モノレール建設の妥当性を検討しますが、需要予測は約42万人と距離の割には少なく、橋脚建設に必要な街路拡幅工事に想定以上の費用がかかることが判明します。

 それだけの経費をかけるのであれば、需要の多い地域を地下鉄で結んだ方が効果的なのでは、という考えに傾いていきましたが、この頃の東京都交通局は財政再建途上で、さらにオイルショックが直撃。モノレールであれ地下鉄であれ大規模新線を建設する余力はなく、1976(昭和51)年に12号線計画は凍結されます。

 ちなみに当時の地下鉄12号線計画は現在の大江戸線とは異なり、20m車10両編成の「フル規格」でした。また、都市機能の一極集中を避けるため、あえて新宿や飯田橋など既存ターミナルを避けたルートを取り、利用者を分散させる狙いもありました。

 ただ、このままでは12号線の実現は夢のまた夢と考えた東京都は、車両を小型化してトンネル断面と駅の規模を縮小し、建設費の7割を占める土木工事費を削減することで計画を再始動。1986(昭和61)年に練馬~光が丘間から着工します。

【路線図】円形じゃない… 計画「9号線」のルート

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