「中国スパイ気球」ミサイルで撃墜がベストだったワケ ステルス戦闘機F-22初戦果1発0.5億円

大推力エンジン2基搭載というアドバンテージ

 今回の出来事で注目されるのは、他国の飛行物体をアメリカ空軍が実際に撃墜したことと、それにF-22「ラプター」という高性能な主力ステルス戦闘機と空対空ミサイルを利用したことです。

 偵察用とはいえ、気球相手にステルス戦闘機とミサイルを持ち出すのは、一般的には「牛刀をもって鶏を割く」といった感じの大げさな印象を受けるかもしれません。しかし、アメリカ空軍の発表から当時の様子を見てみると、この事案はF-22でないと対応が難しい過酷な環境下であったことが理解できます。

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今回、中国の偵察用気球を撃墜したアメリカ空軍のF-22「ラプター」(画像:アメリカ空軍)。

 撃墜時に中国の偵察用気球が飛んでいた高さは、6万~6万5000フィート(約1万8000~1万9500m)という高高度でした。これは旅客機などの一般的な航空機が飛ぶ高度、おおむね3万~4万フィート(9000~1万2000m)よりも高く、戦闘機であっても簡単に行くことができない位置です。

 アメリカ空軍が運用する戦闘機のなかで、今回のような飛行目標を攻撃できる機体はF-16「ファイティングファルコン」、F-35A「ライトニングII」、F-15C「イーグル」、F-22「ラプター」の4機種ありますが、この中でスペック上の数値で高度6万フィート(約1万8000m)以上まで上昇できるのは、エンジンを2つ搭載したF-15とF-22のみとなります。

 そして、両者を比較すると後者の方がエンジン推力が大きく、ミサイルをウエポンベイで機内搭載できるため、武装しても空気抵抗が低くなる空力的な利点もあることなどから、F-22の方が高高度での任務に適しているといえるでしょう。

 実際、発表によるとF-22は、高度5万8000フィート(約1万7000メートル)からミサイルを発射しており、今回の特殊な任務では同機が持つ優れた高高度飛行能力が生かされていたことがわかります。

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コメント

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3件のコメント

  1. その理屈だと中国の気球一機あたりミサイル一基消費せざるを得ないということですか?

  2. 対象が気球に類する者だと事前に分かっていたならば、
    ホバリングが可能な攻撃ヘリや、垂直離着陸機を使えばよかったのでは?

  3. 垂直離着陸機(VTOL)は垂直モードの時間制限あるから無理。ヘリは1万フィートでホバリングは行けるか微妙。揚力を発生させる空気が薄くなる為。ましてや5万フィートとなると固定翼機でも空気が薄いため出力の高いエンジンで半ば無理やり飛ばさないと行けない。
    双発でアフターバーナーの付いた2機種しか行けないですね。