「中国スパイ気球」ミサイルで撃墜がベストだったワケ ステルス戦闘機F-22初戦果1発0.5億円

米本土上空を横断した中国の気球が撃墜されました。撃ち落としたのはF-22ステルス戦闘機で、使ったのは最新のAIM-9X「サイドワインダー」ミサイルとのこと。これらがベストだったそうですが、ほかの機体や兵装では難しかったのでしょうか。

たかが気球されど気球、やっぱりF-22は凄かった!?

 アメリカ空軍がカナダ空軍の過去の例を参考にしたかはわかりませんが、偵察用気球を確実に撃墜するためにはミサイルの使用がベストな選択だったのでしょう。今回の攻撃には2機のF-22が出撃し、さらに支援機としてF-15も飛行していましたが、撃墜はたった1発のAIM-9Xミサイルで達成されています。

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F-22はミサイルを機内のウエポンベイに収納できるため、ステルス性だけでなく空力的にもすぐれた性能を発揮する(画像:アメリカ空軍)。

 なお、AIM-9「サイドワインダー」シリーズは熱源を追尾する赤外線誘導方式のミサイルとしてよく知られた存在ですが、ジェットエンジンなどの推進機器を持たない気球相手に使用できるかは以前より疑問も呈されていました。

 しかし、最新モデルであるAIM-9Xは赤外線画像による誘導方式に改良されており、目標を熱源ではなく画像として捉えることが可能です。だからこそ、今回のような高高度を飛ぶ大型気球(報道によるとその大きさは約27mもあったとのこと)の場合、表面を太陽光に照らされて一定の熱を帯びたことから、ミサイルの誘導が可能だったと推測できます。

 アメリカ空軍の発表によると、撃墜した偵察用気球の残骸は海岸から約6マイル(約9km)離れた深さ約47フィート(約14m)の海底に落下したそうで、現地には撃墜前の段階からアメリカ海軍の艦艇が待機しており、今後はダイバーを使った回収作業も予定されているとか。中国が諜報活動のために送り込んだ気球によって、逆に中国の諜報能力を知られる可能性もあるかもしれません。

 報道によれば、中国政府は気球が自国の物だと認めたうえで、それが偵察用でなく気象研究用であり、領空侵入も不可抗力でアメリカに迷い込んだと説明。また、アメリカの撃墜に対しては中国外務省が強い抗議と対抗措置を匂わす声明を発表しています。

 F-22「ラプター」の知名度と性能を考えると、その初撃墜の相手が気球だったことを味気ないと感じる人も多いかもしれません。しかし、6万フィート(約1万8000m)以上を飛ぶ目標を単独で撃墜できたというのは、すなわちF-22の機体性能の高さを示す偉業ともいえるでしょう。

【了】

【排熱なくても見事命中!】スパイ気球を撃墜 これが最新「サイドワインダー」ミサイルだ!

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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コメント

3件のコメント

  1. その理屈だと中国の気球一機あたりミサイル一基消費せざるを得ないということですか?

  2. 対象が気球に類する者だと事前に分かっていたならば、

    ホバリングが可能な攻撃ヘリや、垂直離着陸機を使えばよかったのでは?

  3. 垂直離着陸機(VTOL)は垂直モードの時間制限あるから無理。ヘリは1万フィートでホバリングは行けるか微妙。揚力を発生させる空気が薄くなる為。ましてや5万フィートとなると固定翼機でも空気が薄いため出力の高いエンジンで半ば無理やり飛ばさないと行けない。

    双発でアフターバーナーの付いた2機種しか行けないですね。

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