東横線「菊名行き」激減 そもそもなぜ多かった? 消えゆく“もうひとつの直通線”の記憶
日比谷線直通列車の名残
菊名行きのルーツともいえるのが、2013(平成25)年3月15日まで東横線に乗り入れていた、東京メトロ日比谷線の列車です。東横線は東京メトロ副都心線と直通する前まで日比谷線と直通しており、日比谷線から来た列車は菊名駅まで運転されていたのです。
直通廃止の直前、2013年2月の日比谷線のダイヤを見てみると、朝夕ラッシュ時間帯には1時間あたり3~5本が、日中も2本が東横線に乗り入れていました。そのため、「東横線内の菊名行きといえば日比谷線の列車」というイメージを持っている人もいるかもしれません。何せ1988(昭和63)年から四半世紀続いていたのですから。
そもそも日比谷線は、全線開通した1964(昭和39)年8月から東横線との直通運転を開始。なお当時は日吉駅まででした。同駅の横浜方に、かつて引き上げ線があったからです。ただ同駅は1988年から地下化工事を開始し引き上げ線を撤去したため、日比谷線は菊名駅まで延長運転されたのでした。
さて、来る3月のダイヤ改正で、東横線は東急新横浜線と直通運転を開始します。これまで渋谷方面から新横浜駅へ行く場合は、菊名駅でJR横浜線に乗り換える必要がありましたが、今後は東急線のみで到達できるように。「菊名行き」の減便も相まって、菊名駅の存在は少しばかり薄くなってしまうのでしょうか。それでも、優等列車が停車する駅であることに変わりはありませんが。
【了】
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