エアバスの始祖か 輸送機C-160トランザール初飛行から60年 欧州共同開発の背景に“鉄道”

フランスとドイツの共同開発、C-160輸送機が初飛行から60年を迎えました。日本ではあまりなじみのない飛行機ですが、この機体を開発するために設立された合弁企業トランザールは、のちに一大航空企業エアバスへとなりました。

1基で6000馬力超えの強力エンジン搭載

 また大きな違いとして、エンジンの数も挙げられます。エンジン4基のC-130 に対し、トランザールC-160は双発(2基)です。後者が双発となった理由には、C-130に要求された性能との違いと、最大出力6000馬力を超えるロールス・ロイスの大型ターボプロップ・エンジン「タイン」の存在がありました。ロールス・ロイスのターボプロップ・エンジンは日本製旅客機YS-11をはじめ、多くの機種で採用された「ダート」が有名ですが、その「ダート」より高出力を目指して開発されたのが「タイン」でした。

 単軸だった「ダート」に対して、「タイン」は2軸にして圧縮比を高め、高出力かつ低燃費を実現しています。

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トランザールC-160輸送機と同じエンジンを搭載したアトランティック対潜哨戒機。1986年8月16日、アメリカ西海岸カリフォルニア州のモフェットフィールド海軍航空基地で撮影(細谷泰正撮影)。

 余談ですが、ロールス・ロイスでは、大出力の液冷レシプロエンジン「マーリン」を4基搭載した第2次大戦の重爆撃機、アブロ「リンカーン」の機首に「タイン」を取り付けた試験機を製作。1956(昭和31)年のファーンボロー航空ショーでは、その「リンカーン」爆撃機の「マーリン」エンジンを全て停止させ、機首に付けた「タイン」1基で飛行するというデモフライトを披露したほどです。

 こうして、目論見どおりの高出力を実証した「タイン」は、まずヴィッカース製の旅客機「ヴァンガード」に搭載されました。その後、出力を向上させたMk21型が独仏共同開発の哨戒機「アトランティック」に搭載され、1961(昭和36)年に初飛行に成功します。

 このように実績を積み重ねた「タイン」をトランザールC-160も搭載。同機には出力6100馬力のタインMk22が採用されました。アトランティックとトランザールに搭載された「タイン」は、ロールス・ロイスとライセンス契約を締結したヒスパノ・スイザー社(後にフランスのSNECMA傘下)が主契約者となりライセンス生産を実施。その下請けとしてイギリス、ドイツ、フランス、ベルギーの各企業が係わっていました。

【まるで映画のワンシーン】C-160の様々な写真をイッキ見!

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