「グレイト!カワサキ!」空自C-2輸送機、豪の現地沸かせた2度目の飛行展示 隊長に聞いた心構え

飛行展示も観客への「ばえ」を意識

 今回、C-2輸送機のオーストラリア遠征に参加した第402飛行隊長の田畑2等空佐によると、今回の飛行展示は「アバロン2023」用に計画したオリジナルで、事前の準備を重ねて完成させたものだそうです。

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「アバロン2023」に展示されたC-2輸送機(布留川 司撮影)。

「演目は上昇、降下、旋回および低速性能をアピールできるものを選択しました。そのときに注意したのが、観客視点で見たときの見栄えです。私自身、飛行中はエアショー全体を指揮するFOC(フライト・オペレーション・センター)と呼ばれるところに詰めていたので観客の反応を直接見ることはできませんでしたが、FOCにいたイベント関係者やオーストラリア空軍の人々がC-2の飛行に合わせて歓声を上げてくれたのを傍で見ていたので、C-2のパフォーマンスを十分に表現できたと思っています」。

 なお、飛行展示では、通常なら機長、副操縦士の2名体制で飛ばすところ、コックピット内に追加でパイロット2名が乗り込んでいたのだそう。この2人のうち1人は飛行展示全体を確認して、飛行展示の演目進行や操縦等に関する先行的な助言・誘導を担当。もう1名は緊急事態の交代要員と全般監視を兼務していたとのことでした。

 田畑2等空佐によると「飛行展示ではC-2の性能をいかんなく発揮・披露するために制限ギリギリで追求する形を採りました。そのため、制限超過を防止すべく参加クルーの体感Gの体得、課目に専念できるように(4名のパイロットの)任務分担、クルー連携の確立などに留意して、事前訓練を重ねました」と話してくれました。

 現地では、わずか20分程度の飛行でしたが、飛行隊では安全と見栄えを両立させるために、多くの苦労と訓練の積み重ねがあったことがわかります。先ほど紹介した、前回参加時の展示に不満げだったオーストラリアのメディア関係者も「今回は大満足で、良い写真も撮れたよ!」と言っていました。

【HUDに映る赤外線映像の様子も】C-2のコックピットや機内の快適装備を写真でイッキ見

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