「グレイト!カワサキ!」空自C-2輸送機、豪の現地沸かせた2度目の飛行展示 隊長に聞いた心構え
快適装備があれば乗員負担も軽減!
ATISとはその飛行場に離着陸する航空機に対して、その運航に必要な気象情報や使用滑走路などの現状をパイロットらに知らせるためのもので、本来は無線を使って音声放送で聞くことができます。ACARSを使った場合、人工衛星を介して遠く離れた海外の空港のATISを表示させることが可能なため、これが長距離の海外運航では役立つのだそうです。
実際、見学時もオーストラリアのアバロン空港にいる状態から、その時刻の東京の羽田空港のATISを呼び出す実演を行ってくれました。
ACARS機能を備えた端末は、一般のエアラインでは普及していて珍しいものではありませんが、航空自衛隊の輸送機(旅客機ベースの空中給油機や政府専用機では装備されている)ではC-2で初めて装備されたといいます。
ほかにも、クルーに対する飛行中の機内環境を良くするための快適装備として、電子レンジと冷蔵庫も見せてくれました。両方とも一般旅客機に装備されているものと同じですが、飛行中などに暖かい食べ物と冷たい飲み物を味わうことができるため、クルーにとっては非常にありがたいポイントだそうです。
近年、C-2輸送機が災害支援派遣や国際共同訓練などで、海外へ飛んでいき、現地で任務に就くことも珍しくなくなっています。それは前任の国産輸送機C-1と比べて、C-2が航続距離や積載重量が大幅に増加したことが大きいのでしょうが、それ以外にもパイロットの負担を軽減し、より柔軟な運用ができる新しい装備品の存在もあると考えられます。
今回の「アバロン2023」では、これまでの軍用輸送機では備えられていなかった各種注目ポイントがC-2にはあることを、海外の人々にアピールできたと、関係者らに話を聞くことで改めて実感できました。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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