「最後のガンファイター」も脚色? 『エリア88』の戦闘機F-8クルセイダー 数々のアツい描写 実際のトコロは?

日本では漫画『エリア88』などで知られるようになったF-8「クルセイダー」戦闘機は、主翼が上側に開く可変取り付け角機構を採用するなど、他の戦闘機には見られない特徴を持っています。初飛行から退役までを追いました。

「最後のガンファイター」なるあだ名は幻想?

 F-8「クルセイダー」は1957年から配備が始まり、アメリカ海軍だけでなくアメリカ海兵隊でも使われ、その総生産数は1259機にもなります。現役時代の実戦参加としてはベトナム戦争での重用が有名でしょう。この戦争の期間中にF-8が空中戦で撃墜した敵機の数は19機(内1機は海軍未確認のため資料によっては18機と記載)にもなります。

 ベトナム戦争において、アメリカ海軍と空軍が用いた最新鋭の戦闘機はマクダネルダグラス社製F-4「ファントムII」でしたが、初期モデルは空対空ミサイルに対空戦闘能力を依存しており、固定武装として機関砲を装備していませんでした。一方、F-8は固定武装として20mm機関砲Mk.12を4門装備するうえ、戦闘機として良好な機動性もあることから、これら撃墜記録と合わせて「最後のガンファイター」というあだ名まで生まれています。

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アメリカ空母「オリスカニー」の蒸気カタパルトで発艦準備中のF-8「クルセイダー」戦闘機(布留川 司撮影)。

 ただ、このあだ名も多少脚色された側面があるようです。F-8が装備するMk.12機関砲は故障が多く、1門あたりの20mm弾の携行弾数は144発であるものの、弾詰まりの恐れからあえて120発に減らして使われていたとか。また、目標に狙いを付けるための照準器も3G以上の機動時には精度が落ちるという問題を含んでいました。

 F-8がベトナム戦争で、ソ連製のMiG-17戦闘機を撃墜したのは1966年6月12日にぼっ発した戦いでのことでしたが、この時は4機のF-8が戦闘に参加して、うち3機の機関砲が戦闘中に故障した結果、最終的に「サイドワインダー」ミサイルを使って敵機を撃墜(もっともこちらも8発発射して命中したのは1発だけ)しています。

 ベトナム戦争におけるアメリカ軍の空戦記録をひも解いても、F-8が機銃だけで撃墜したのは1件しかありません。

【飛行シーンも】空母「ミッドウェイ」博物館で展示されるF-8「クルセイダー」をグルリと見る

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