タイへ渡った「北斗星」の機関車「どう動かせば…」 壊す寸前で救った日本人鉄道ファンの輪

JR北海道で廃車となったDD51形の2両はタイへ渡り、国鉄の複線化事業を請け負うAS社の工事用機関車になりました。しかし言葉の壁や整備の難しさなどから正常に運転するまでが大変。これを救ったのは、偶然出会った日本人鉄道ファンでした。

壊してしまう寸前だったDD51

 タイのDD51を助けるプロジェクトは注目を浴び、日本やタイで様々なメディアに取り上げられ、クラウドファンディングは目標を達成しました。タイのDD51を助けたいと思う人々の声が集まって形になったのです。ただその場しのぎで救うのではなく、継続的に技術サポートをする。そのためには技術者が不可欠です。吉村さんが九州鉄道記念館と連絡を取り合って紹介した技術者は、偶然にも動画に指摘をした辛島さんでした。支援メンバーは、部品調達や技術指導のサポート体制を確立させて現地へ足を運び、手弁当で技術指導と整備を始めます。

「制御弁、無動力回送コックが閉まっている状態だったのです」

 辛島さんは驚きました。輪西埠頭へは無動力回送だったため、エンジンを切って車扱貨物となります。その時はコックを閉める規定となっており、仮に運転台で操作しても制御できません。AS社ではこのことも教えられておらず、コックを閉めた状態で走ろうとしていたのです。

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機関室内の中心部に鎮座するのは客車暖房用のSG(蒸気発生装置)である。この内部の水もエンジンの冷却に使っているという(2023年2月24日、吉永陽一撮影)。

 さらにラジエーターの水が無く、危うくエンジンが焼けて使えなくなるところでした。加えて炎天下なのに冷却水コックが運転室内へ暖房となる位置のまま。ブレーキや運転操作方法といった様々な問題点が表面化します。基盤の不具合、パッキンの劣化、2基あるエンジンの同調不足。安全運行に支障をきたす事柄が数々と噴出していきました。

 そして、コロナ禍が追い打ちをかけます。メンバーが現地入りできず、作業が滞ってしまいました。そのような状況でもSNSのグループ動画やチャット機能を活用し、運転方法や部品のチェックなど、国を跨いでリモート支援を継続したのです。リモートワークはここでも大活躍したのですね。必要な部品は日本から送り、また現地で部品を製造できたのも幸いでした。

 こういった活動を繰り返すこと約3年。コロナ禍でも確実にDD51を安全運行できる体制が整い、渡航制限が緩和された2023年、メンバーは再び現地へ赴きます。

【見たことないでしょう?】DD51の運転台 タイに行っても日本仕様!

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コメント

1件のコメント

  1. 「基盤の不具合、パッキンの劣化、2基あるエンジンの同調不足」とありますが、基盤ではなくて基板ではないでしょうか?

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