“座席鉄”が選ぶ「JRで快適な快速列車」ベスト5 眺望の良さ 寝台をつくれる車両も!?

硬い座席でもグリーン車 そのワケは

 展望室はソファの並んだフリースペースです。指定席ではありませんが、座り心地は堅め。マイテ49形の展望室はふかふかのソファなので、この辺りは“オリジナルの再現”にこだわってほしかったように思います。

 開放客室は1+2列の回転式リクライニングシート。ちなみにマイテ49形は1+1列の回転式クロスシートです。側窓はレトロ調で小さいですが、雰囲気があります。テーブルは肘掛けに収納されています。シートピッチは1470mmと非常に広く開放感がありますが、「SLばんえつ物語」グリーン車と同様、リクライニングしても座面が水平で、レッグレストやフットレストがないので体が滑ります。

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JR西日本「SLやまぐち」のグリーン車。座席は硬め(安藤昌季撮影)。

 ボックスシートはかなり堅めで、“グリーン車の座席感”はありません。ただ、この部分はオリジナルのマイテ49形のボックスシートとほぼ同じ座り心地であり、戦前の一等展望車を味わえる座席でもあります。

JR東日本「リゾートしらかみ」

 最後に紹介するのはJR五能線の観光列車「リゾートしらかみ」です。シートピッチは1200mm、回転式リクライニングシートが並ぶ普通車指定席は座り心地もよく、側窓も巨大でとても快適な空間です。

 特筆すべきは2号車「ボックス席」です。かつての開放形寝台車のような半個室で向かい合わせの座席ですが、「橅」編成の場合、1・2・8・9番の区画は、座席背面を展開してフルフラットにできます。五能線の絶景を堪能しつつ、ごろごろと寝そべることができる――日本国内の快速列車で最高の設備だと筆者は思います。

【了】

※一部修正しました(4月12日16時10分)。

【写真】筆者一押し! 最も快適な快速列車

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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