ルーツは95年前!? 寝台列車歴50年超の「出雲」 電車になって25年 この先どうなるのか
285系も四半世紀が経った
1989(平成元)年、「出雲2・3号」のB寝台車1両が、格安きっぷ「出雲B3きっぷ」で利用できる3段式B寝台車になります。「出雲B3きっぷ」は好評で、「出雲」は“最後まで3段式B寝台車を連結した寝台特急”となりました。
そして1991(平成3)年3月、開放形B寝台のみだった「出雲2・3号」に、A個室寝台車「シングルデラックス」と、1・2人用B個室寝台車「シングルツイン」、2人用B個室寝台車「ツイン」が連結されます。しかし6月、利用客の減少で「出雲1・4号」の食堂車が営業終了し、売店車となりました。
1998(平成10)年、後継となる285系寝台電車が投入されると、「出雲2・3号」は「サンライズ出雲」に変わります。「出雲1・4号」は東京~浜田間から出雲市までに短縮され、列車名は「出雲」に戻りました。この年に食堂車の売店営業が中止され、フリースペースとなります。ただし、その後も下り列車の浜坂~鳥取間では、駅弁と飲み物が販売されていました。
2006(平成18)年、とうとう「出雲」が廃止されます。同時に「サンライズ出雲」が通らない鳥取などの需要を拾うため、「サンライズ瀬戸・出雲」と上郡駅で接続する特急「スーパーいなば91・92号」が運行されましたが、利用は伸びず廃止されています。
2014(平成26)年より、285系の予備編成を使って、多客期に「サンライズ出雲91・92号」が運行されるようになりました。これは臨時列車なので、運転停車など運行上の都合で所要時間が長く、東京~出雲市間は14時間46分(定期「サンライズ出雲」は11時間8分)、逆は15時間40分(同・12時間13分)かかります。
脈々と続く「サンライズ出雲」ですが、現行の285系も登場から四半世紀が経過しました。コロナ渦でも安定した乗車率を誇る人気列車、なんとか存続してもらいたいものです。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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