「相鉄・JR直通線」の鶴見駅停車が難しい「2つの理由」とは 沿線の要望にJRが回答
ホーム設置工事が貨物輸送にどう影響?
JRの回答の2つ目にある「貨物輸送への影響」とは、具体的にどのような影響なのでしょうか。
JR東日本によると「東海道貨物線を走行する貨物列車は、ほとんどの列車が鶴見駅を経由し、多方面へ貨物輸送を行っており、東海道貨物線の鶴見駅は貨物輸送にとって非常に重要な駅です」としたうえで、「工事を行うことになった場合、工事期間中多くの貨物列車に対して時刻を変更しなければならず、また、大規模工事の場合には貨物列車の運行を取りやめなければならないことから、荷主も含め大きく影響を及ぼす可能性があります」と話します。
京浜東北線と鶴見線しか停車しない鶴見駅ですが、周辺では東海道貨物線が羽沢方面からやってきて東海道線へ合流し、さらには横須賀線・湘南新宿ラインも走る新川崎・西大井経由の「品鶴線」が北西へ分岐していきます。まさにここは貨物輸送にとっての要衝でもあるのです。
沿線自治体が相鉄・JR直通線の鶴見駅停車を要望する背景には、公共交通ネットワークの利便性向上だけでなく、鶴見区南部の末広地区が「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略特区」として位置付けられており、その表玄関となる鶴見駅の機能強化を図りたいという思惑もあります。
ただ、相鉄・JR直通線の鶴見駅停車を実現するためには先述の「大規模な施設改修」と「貨物輸送への影響」という課題を解決する必要があり、なかなかハードルが高そうです。
【了】
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