「F-14トムキャットが一番好き」死にかけてもそう言える 生還した伝説のパイロットの“判断”

いまから30年ほど前、中東で「骨折」「前見えず」「無線不通」という三重苦状態ながら、空母に無事帰還した伝説のパイロットがいました。しかも彼はその後、スペースシャトルで宇宙にも行ったとか。あきらめずに生還した理由を直接、聞きました。

前見えず無線もダメ でも相棒救うため空母へ帰投

 この時、エドワーズ氏が追った怪我は、片腕の骨折と肺の損傷で、さらに右目も見えなくなっていました。コックピット正面のキャノピー前部も「落として画面の割れたスマートフォンみたいだった」(エドワーズ氏談)という状態になったため、前方視界は遮られた状態で、加えて酸素吸入用のマスクとそこに付いていた無線機まで剥ぎ取れてどこかへいってしまったそう。

 彼自身の怪我はかなり酷いものでしたが、緊急事態が発生したにもかかわらず、無線機が失われたことで、エドワーズ氏は外部と連絡する手段も喪失した状態でした。

Large 20230521 01
F-14の事故から生還し、スペースシャトルのパイロットになったエドワーズ氏(布留川 司撮影)。

 戦闘機が緊急事態になった場合、射出座席を使って機外に脱出する方法があります。しかし、彼は射出を試みることはしなかったといいます。「脱出は考えませんでした。バックミラー越しに後席を見ると、後ろに座っているRIOが負傷しているのがわかったし、私自身も出血していたから。この状態で周りに何もない海上へ着水するのは非常に危険でした」。

 機体を安定させるためにスロットルを下げて低高度まで降下。そして機体の状態を確認しました。コックピット内部と自身は酷い状態でしたが、幸いなことに機体の操縦系統はまったく異常がなく、パイロットが重傷であること以外は、機体はしっかりと機能したのです。

 自分と同僚を生還させるために、エドワーズ氏は機体を着陸させることを決意します。しかし、最寄りの空港に無線交信ができない状態で戦闘機を下ろすのは難しいと考え、決断したのは慣れ親しんだ母艦である空母「アイゼンハワー」へ戻ることでした。

 この時、エドワーズ氏は無線での交信手段を失っていたため、母艦の「アイゼンハワー」に接近しても自分たちの状況を伝えることは無理な状態した。しかし、空母側は接近するF-14にレドームがなく、着陸装置とフックを下ろしている状況を目視で確認したことですべての事態を把握したとか。そして、エドワーズ氏が着艦できるように空母を風上に向けて進路変更してくれたそうです。

【この状態で帰ってきたの!?】ボロボロ状態で空母に着艦するエドワーズ少佐操縦のF-14「トムキャット」ほか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス