「ほぼ自転車扱い電動キックボード」見てきた! 7月施行「特定小型原付」 歩道走れるナルホド装備

え、特定小型原付これだけ? メーカーがやきもきする理由

 乗りものとしての不安定さや危険性も指摘される電動キックボードですが、免許不要で気軽に乗れるようになることもあり、そのニーズへのメーカーの期待は大きいようです。

 もちろん、特定小型原付は電動キックボードに限りません。今後様々なタイプの機種が出てくると考えられます。今回の展示会では、電動バイクや電動アシスト自転車で、安定性をウリにした3輪のモデルが多く出展されていたのも特徴でした。

 ただ、今回の展示会で特定小型原付に対応した実機を見ることができたのは、前出したAcalieのブースのみでした。施行が7月に迫っているのに、意外なほど少ない――これには、メーカーもやきもきする理由がありました。

 というのも、国から特定小型原付の性能認証を受けるための申請が4月から始まっているのに、遅々として「認証が下りない」「受理すらされない」という声が複数のメーカー関係者から聞かれました。初めての制度とあって、関係当局も対応に苦慮しているようだといいます。

Large 230512 kick 02

拡大画像

バイシクル Eモビリティシティエキスポ2023。新宿住友ビル三角広場で開催(乗りものニュース編集部撮影)。

 また、特定小型原付の小さなナンバープレートも、実物がまだできていません。総務省も対応が間に合わないことを想定しており、3月の時点で、国土交通省が定める「性能確認済みシール」で特定小型原付であることを証明する暫定的な運用もあり得ると話していました。新しいナンバープレートを取り付けるには専用のステーを作成する必要があることから、この点でもメーカーが対応に追われる可能性があります。

 あるメーカー関係者は、「なし崩し的に制度がスタートすることで、正規の認証を受けない違法な機体が増えることが危惧される」と話していました。

【了】

【え…小さっ!】特定小型原付の新ナンバープレート&装備(写真で見る)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。