映画超え?「タイムマシン版デロリアン」を自作 世界のマニアを味方にした男「手本にしないで」の真意

模型の改造で一躍有名人に

 この津和さん自慢の映画版「デロリアン」レプリカは、2023年5月10日から静岡県のツインメッセ静岡で開催されている静岡ホビーショーの青島文化教材社(アオシマ)のブースにて、展示されています。

 これは同社による「デロリアン」新作プラモデルの発表(来年発売予定)に合わせ、実車として展示されたもので、この機会に津和さんから、制作にまつわるエピソードをいろいろと伺いました。

「デロリアンに興味をもったきっかけは、実車からではなく、デアゴスティーニから出た『週刊バックトゥザフューチャー デロリアン』の8分の1模型の方でした」

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このタイムマシン型「デロリアン」のオーナーである津和敏夫さん。国内外のファンや友人たちの手助けを受けて、2年半の歳月を掛けて完成させた(布留川 司撮影)。

 このように模型から入った津和さんでしたが、そのうち本の指示通りに組み立てるだけでは満足できなくなったそうで、まずはその模型を劇中の「デロリアン」へ近づけるために改造してドレスアップし始めます。

 その後、手を加えた完成モデルをインターネット上で公開すると、日本国内だけでなく世界中のファンたちから大きな反響があったそう。しかも、「自分も改造したいので、そのパーツを作って送ってほしい」という熱心なリクエストまで届いたといいます。

 模型改造のおかげで津和さんは海外のファン・コミュニティーとつながるようになりました。その結果、とある縁によって国内で売りに出されていたノーマル状態の「デロリアン」を手に入れることになります。最初はそのままの状態で乗ろうと思っていたものの、実車購入を知ったコミュニティーのメンバーたちから「(改造を)やるよね?」というコメントが多数寄せられたことで、それらに後押しされるようにフルサイズのタイムマシン版「デロリアン」の製作をスタートさせたのだといいます。

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の撮影では、状況に合わせて3台の「デロリアン」改造車が用意され、それぞれがA車(撮影用)、B車(スタント用)、C車(車内撮影用)と呼ばれていたとのこと(全3部作では合計6台製作)。なかでも、最もディテールが細かく作られたのはA車で、これが制作物としては本物のタイムマシン型デロリアンということになります。

 A車の随所に取り付けられたパーツは、乗りものや機械のジャンク部品を組み合わせて作られており、コアなファン・コミュニティーではタイムマシン版「デロリアン」の形状を把握するだけでなく、それらがどのジャンクパーツから流用されているのか、原型の特定まで進められているそうです。

【ツボおさえてる~!】外観だけじゃない、車内も見事に再現されたタイムマシン型「デロリアン」(写真で見る)

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