映画超え?「タイムマシン版デロリアン」を自作 世界のマニアを味方にした男「手本にしないで」の真意

世界中のファンを味方につけ2年半で完成

 模型製作でこれらコミュニティーに関わりを持った津和さんは、世界中の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』マニア(探求者)の力を借りて、よりレベルの高い実物大「デロリアン」の完成を目指したのだとか。しかし、当然ながらそれは簡単なことではありませんでした。

「製作にあたっては数多くの海外ファンに協力してもらいました。製作に必要な情報を持っている人はもちろん、元になったジャンクパーツ自体を持っている人もいました。やり取りは基本的に電子メールでしたが、日本とは時差があるため、返信があるのは日本では深夜になります。具体的には深夜11時から午前3時くらいに返事が来るので、製作期間中はその時間は寝ないで海外とメールのやりとりをしていました。昼には仕事があるので、毎日2~3時間しか寝られませんでしたよ」

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運転席部分。配線やスイッチボックスなど各機器が映画を元に再現。座席のプロポは劇中で遠隔操作するときに使われたもので、作中と同じフタバ製を改造して作ったレプリカ(布留川 司撮影)。

 これらファンの人々とのやりとりは、簡単ではなかったといいます。通常のパーツ販売業者と違って金銭を払えば送ってもらえるものではなく、楽しみを追求したマニア同士の交渉のため、認めた相手にしか対応してくれません。幸い津和さんは模型の「デロリアン」でコミュニティーでは比較的知られた存在になっていたため、知り合いが知り合いを紹介するという形で新たな輪が広がるなどしたことで、世界中のファンたちがサポートしてくれたそうです。

「使われたパーツの多くは廃品ばかりです。航空機のタービンとかわかりやすいものから、機械内部の構造材やコンデンサーといった、人目に触れないようなマイナー部品までありました。現物を海外のファンから送ってもらっても、最初はそれをどう取り付ければいいのかわからないなんてこともありましたね。例えば車の一番後ろの排気ノズルの間にある緑のパーツは、大昔の無線機の排熱部品なんですが、海外のファンから型番を教えてもらったら、たまたま国内のオークションに出ていて、映画とはまったく関係ない無線機収集家の方から譲ってもらえました」

【ツボおさえてる~!】外観だけじゃない、車内も見事に再現されたタイムマシン型「デロリアン」(写真で見る)

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