まるで“地底道路” 秘境への素掘りトンネル天国「奥只見シルバーライン」 酷道?いや違う

地域自ら“秘境”と称する山奥にあって、全長22kmのうち約18kmがトンネルという稀有な道路「奥只見シルバーライン」。“酷道”の趣きたっぷりではありますが、決して酷ではなく、大切な役割を担っていました。

奥只見ダム、やっと着いた!

 ようやくトンネルを抜けたと思ったのも束の間、すぐに「第9トンネル群」が現れます。事前にトンネルの数は全部で19と聞いていましたが、この看板には“9/9”とありました。そのまま進むと、今度は「次の空まで8km」という看板が登場。「さっきよりも長いのか……」とつぶやかずにはいられません。

 この第9トンネル群は、3つのトンネルがつながって10km以上になっているそうです。その間、トンネル内には珍しい交差点も存在。後述しますが、実はこの交差点がシルバーラインにとって重要なポイントでした。

 さて、長い長いトンネルを抜けると、奥只見ダムに到着。「奥只見レイクハウス」「奥只見ターミナル」と2つの建屋が並ぶ観光拠点は、東京から中学校の遠足の一団なども来ており賑わっていました。

 ここから「スロープカー」でダムの堤体上まで上がったところが、ダム湖をいく奥只見遊覧船の奥只見乗船場です。夏の観光シーズンには、上越新幹線の浦佐駅から路線バスがシルバーライン経由で奥只見ダムまで運行されており、遊覧船でダム反対側の尾瀬口乗船場まで向かい、そこからさらに路線バスへ乗り換えて会津に抜けることもできます。

謎の「トンネル内交差点」を曲がってみると

 来た道を戻る際、前出した第9トンネル群のなかの交差点を左折してみました。するとすぐにトンネルの外へ。ここは、トンネルのどてっ腹へ、T字交差点で接続していたのだとわかりました。

 外へ出てすぐに、シルバーラインと並行する国道352号の「銀山平」エリアに出ましたが、5月下旬のこの日は、新潟方面、福島方面ともに、銀山平から先は冬季閉鎖のため抜けられませんでした。

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国道352号、銀山平から魚沼市街へ通じる枝折峠区間は通行止めだった。シルバーラインが銀山平への代替路となっている(乗りものニュース編集部撮影)。

 一帯は日本でも有数の豪雪地帯で、国道352号、シルバーラインともに冬季は閉鎖されますが、例年シルバーラインは352号より早く、3月には解除されます。一方で、352号の魚沼市街と銀山平の間の「枝折峠」区間や、銀山平から福島県境区間は、下界の気温が30度近くなった5月下旬ですら、冬季閉鎖が解除されないのです。

 つまり、春の期間中はシルバーラインが352号のバイパスとして機能し、トンネル内交差点から銀山平へのアクセスを可能としているのです。1年の多くが雪に閉ざされるエリアにあって、シルバーラインが観光や生活に欠かせない道路であることが伺えました。

【了】

【行けども行けども“地底”!】奥只見シルバーライン(地図/写真)

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