レア旅客機「ボーイング717」が新千歳にクルぞ!…でもなぜ? 日本では導入ゼロ&複雑経緯の珍機
あと何回見られるのか…。
「VH-NXI」が飛来
オーストラリアの航空会社、カンタス航空グループが保有していたボーイング717「VH-NXI」が、2023年6月に退役にともなう回送運航の途中で、新千歳空港へ寄港する予定です。717は、日本国内の航空会社での導入はなく、レアな旅客機に分類されます。
ボーイング717は、ボーイング社のライバル、マクダネル・ダグラス社のヒット作「DC-9」シリーズの系譜を組む「MD-95」として開発された旅客機です。開発途中の1997年、マクドネル・ダグラス社がボーイング社に吸収合併されたことで、型式名を「717」に変更したという経緯を持ちます。レア機なのは、この機がおもに短距離路線向けで、導入していた航空会社もカンタスグループのほか、欧米系航空会社が多数を占めていたことに由来します。
カンタス航空グループでは、20機の717を運用してきましたが、今後、低燃費・低騒音で航続距離も長いエアバスA220に置き換えられる形で、退役が進められる計画です。
「VH-NXI」はオーストラリアで登録された最初の717とのことで、2004年5月に運航を開始。これまで同グループ(カンタスリンク・ジェットスター航空)での運航は、2万2000便以上にものぼるといいます。同機は、6月中旬にオーストラリアを出発し、セブ、新千歳、アンカレッジなど8か所で給油のため寄港し、北米の新たな保有者へ引き渡される予定です。
なお、「VH-NXI」は3番目にカンタス航空グループから離れる717とのことで、5月にも新千歳空港などで、同社から先に退役した717が飛来している状況が確認されています。
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