なぜ? 羽田空港「旅客機の接触事故」で浮かぶ疑問 航空管制からすると“あるある”?

「外国の航空会社だったから衝突」ではない

 また、今回の事故は、外国の航空会社2社が起こした事例です。国内の航空会社との差異は実際のところないとは言い切れません。ただ、ここからは筆者個人的な感覚も含まれますが、これは“良し悪し”で語れるものではありません。

 国内の航空会社は、特に羽田空港に関しては、パイロットも運用を熟知しており、管制官が次に何をどのように指示するかを言い当てられるるほど慣れている場合も多いのです。一方で外国の航空会社は、月に1回ほどしか日本にこないパイロットもいると考えられます。

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羽田空港のタイ国際航空機。接触事故を起こしたものとは別モデル(乗りものニュース編集部撮影)。

 前者は勝手がわかる一方、よくいう「ベテランが足をすくわれる」ようなもので、慣れているがゆえに油断してしまったり、管制官の指示が普段とは違ったにもかかわらず、これまでの癖がついていて間違えたりするようなことが起こり得ます。後者は慎重に事前準備を万端にしている一方、初めて見る空港の景色と初めて聞く管制官の指示に戸惑い、地上走行が遅かったり、指示を何度も確認したりすることが想定されます。つまり、どちらも一長一短なのです。

 管制官は各機の慣れ具合を声や航空機の挙動で嗅ぎ分けて、そのパイロットにあった発声の速度や抑揚、指示以外の追加情報などを考えて柔軟に対応することが求められます。

【了】

【複雑怪奇?】羽田空港の誘導路構成&事故発生現場

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