イスラエルもついに戦車供与? 独自のガラパゴス「メルカバ」はウクライナで戦えるのか

ロシアとも近く、ウクライナ支援には消極的なイスラエル。しかし同国メディアによると、近く国産戦車「メルカバ」を輸出すべく2か国と協議中だそう。輸出先のひとつはウクライナともいわれ、様々な憶測が飛び交う中、今後の動向に目が離せません。

メルカバはフロントエンジン方式 なぜ?

 メルカバがウクライナに引き渡されるとすれば、単なる戦車の補充以上に、国際関係の微妙な変化を意味します。イスラエルはロシアとの関係性も重視しウクライナ支援には消極的で、3月にはやや方針転換したものの支援するのは「防御的システム」に限るとしているからです。一方、アメリカがイスラエルにもっと積極的にウクライナ支援に関わるよう圧力をかけているともいわれます。

 ではイスラエル専用ともいえるメルカバが、ウクライナでどこまで活躍できるのでしょうか。メルカバはユニークと紹介したように一般的な戦車とは異なり、エンジンを乗員室の前に配置するフロントエンジン方式を採用しています。空いた後部は兵員収容や装備品積載スペースです。

 エンジンを乗員保護の盾にする人命優先の現れともいわれますが、なるべく安価で簡易に正面防御力を向上させようという苦肉の策ともいえます。エンジンが損傷して機動力を喪失すれば、逆に撃破されるリスクも高くなります。後部に歩兵も搭乗できる理想の戦車のように捉える向きが一部にあるようですが、後部の居住性は最悪で、歩兵輸送は本来装甲車の役割です。

 このようなレイアウトになったのは、メルカバの仕様がイスラエル防衛用であったから。侵入してきたアラブの旧ソ連製第2世代戦車を待ち伏せし、アウトレンジから遠距離射撃することを主戦術とする、一種の駆逐戦車だったのです。

 防御特性についてレオパルト2やT-72と比較すると、正面防御に重点が置かれ側面の脆弱性が指摘されます。弱点のひとつである弾薬庫は後部側面に配置され、敵弾の到達範囲が広くなっていますが、長距離砲戦なら側面は狙われにくいことから目をつぶった格好です。後部のスペースも歩兵用というより、待ち伏せの継戦能力を高めるため、多くの物資を積載することを念頭に置いていると考えられます。

【え…】ユニークゆえの“弱さ” レオパルト2などと比較して一目瞭然(図解)

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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