最悪は墜落「バードストライク」どう対策 初夏から増加 あの手この手で「鳥くるな!」

例年、夏から秋にかけて回数が増えるバードストライク。飛行機と鳥が衝突すると最悪、墜落にもつながりかねない危険な事象を避けるために、飛行場などではどういった対策を行っているのでしょうか。

鷹匠の協力も仰いで安全を確保

 バードストライクを防ぐためには、基本的に鳥を飛行機に近づけないこと。飛行場の敷地内には、ガスや灯油で軽い爆発音を発生させて鳥を追い払う装置が設置されています。外から飛行場を眺めていると、時折「ボン!」という作動音を耳にすることがあります。

 とはいえ、鳥も頭がいいので、機械だけでは「害がない」と学習して戻って来てしまうことも。こういった場合には、人間の出番です。

 アメリカでは、バードストライクなどを「Bird/Wildlife Aircraft Strike Hazard」、略して「BASH」と総称しており、農場における食害対策を担当する農務省の野生動物部門と連携して、飛行場から鳥などを効果的に遠ざける対策を実施しています。

 鳥の習性や生態を知り抜いた専門家らの知見によって、空砲やレーザー、鳥の嫌う周波数の音波で追い払うほか、鷹匠にも協力してもらい鳥たちを追い出していきます。彼らは最終手段として、捕獲して飛行場から離れた安全な場所に「強制移住」させるといったことも実施します。

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爆発音による鳥防除装置(画像:アメリカ空軍)。

 日本の空港でも、これに類似した「バードパトロール」という係員が巡回する方法での防除が行われています。これは、1982年に羽田空港で始めたのを皮切りに、現在では北は新千歳空港から南は那覇空港まで、国管理の18空港で導入されています。導入した空港では、未実施の空港と比較してバードストライクの発生率が半減するという効果を挙げているといいます。

 バードストライクは、人の文明と野生の環境が重なり合うことで発生してしまう不幸な事故。お互いが安全に暮らすために、今後も専門家らが知恵を絞り、新たな手段が生み出されるかもしれません。

【了】

【生々しい…】バードストライクに遭ったブルーインパルスのT-4ほか(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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