“ここはアメリカ”横浜のど真ん中になぜ? 米軍専用の港「ノース・ドック」戦争に翻弄された歴史

横浜を代表する観光地「みなとみらい21」のすぐ近くに、横須賀や佐世保と同じ在日米軍専用の埠頭「横浜ノース・ドック」があります。ここは戦前、日本が整備した物流拠点でした。その知られざる歴史を振り返ります。

朝鮮戦争で返還は白紙に

 こうしたなか、民間貿易再開の動きに合わせて1947(昭和22)年に高島埠頭が、1951(昭和26)年には山内埠頭の接収がそれぞれ解除され、1952(昭和27)年には大桟橋も日本に全面返還されました。

 しかし1950(昭和25)年に朝鮮戦争が勃発し、横浜港が国連軍の兵站拠点となったことで、鉄道と船舶が連携して兵員、弾薬類、補給物資などの輸送ができる新港埠頭と瑞穂埠頭はアメリカ軍による使用が継続されます。その後、朝鮮戦争の休戦によって、新港埠頭の接収は1956(昭和31)年に大部分が解除され、港湾司令部として使われていた赤レンガ倉庫も港湾倉庫としての機能を取り戻しました。

 ただ瑞穂埠頭は1952(昭和27)年に締結された日米安全保障条約に基づき、無期限でアメリカ軍が使用することが決まります。このため、代替施設として山下埠頭の第1バースが安全保障費で建設され、横浜港はその後、山下、本牧、大黒とその土地を広げていくことになりました。

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横浜みなとみらい地区から望む「横浜ノース・ドック」(深水千翔撮影)。

 現在、瑞穂埠頭にはアメリカ軍の「横浜ノース・ドック」が7バース(総延長1259m)を使用しているほか、民間企業である横浜倉庫の鈴繁埠頭が5バース(993m)、そして砂や建設用資材を中心に取り扱う公共埠頭(170m)が置かれています。

「横浜ノース・ドック」を使用しているのは、アメリカ陸軍の第836輸送大隊や在日米海軍横須賀補給センター、日本区域艦船支援隊、そして陸上自衛隊の中央輸送隊などです。敷地内は在日米陸軍施設管理本部が管理する「埠頭地区」と、在日米海軍横須賀基地司令部が管理する「郵便地区」で構成されており、「埠頭地区」では車両やコンテナの陸揚げや船積みといった貨物輸送業務が行われています。

 ただ、それら以外にも、軍事海上輸送司令部に所属する双胴の音響測定艦5隻が事実上の母港として使用しているほか、高速輸送艦「グアム」やミサイル追跡艦「ハワード・O・ローレンツェン」といった艦船が接岸していることも多々あります。また、観艦式を行う際は、海上自衛隊の護衛艦が入ることもあります。

【なくなる前に行ってみた!】瑞穂埠頭に残る貨物専用線の面影を歩く(写真)

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