“ここはアメリカ”横浜のど真ん中になぜ? 米軍専用の港「ノース・ドック」戦争に翻弄された歴史

横浜を代表する観光地「みなとみらい21」のすぐ近くに、横須賀や佐世保と同じ在日米軍専用の埠頭「横浜ノース・ドック」があります。ここは戦前、日本が整備した物流拠点でした。その知られざる歴史を振り返ります。

もうすぐ消える鉄路と鉄橋

 なお、前述したように2023年4月16日に「横浜ノース・ドック」で新編された小型揚陸艇部隊は、これまで米本土から随時派遣されていた船舶運用のための要員を常時配置し、南西諸島などへ迅速に部隊と物資を展開する体制を整えることを目的としています。

 部隊規模は船艇13隻と人員280名。とはいえ、同地にはアメリカ陸軍の「ラニーミード」級汎用揚陸艇(LCU)や機動揚陸艇(LCM)、タグボートなどが以前から配置されていたため、こうした船艇を取りまとめる中間司令部が新設されたといえるでしょう。

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瑞穂埠頭に今も残る踏切跡(深水千翔撮影)。

 そういったなか、2009(平成21)年に瑞穂橋(道路橋)と外周道路が返還され、2021年には長らく使用されていなかった貨物専用線跡が返還されました。レールと鉄道橋は今後、撤去される予定となっています。

 一方、横浜市が求める「横浜ノース・ドック」の全面返還はまだまだ先になりそうです。横浜港を行く水上バスからも間近で見ることができる、“近くて遠い”横浜のアメリカ軍基地。華やかな街並みのすぐ近くには、歴史に翻弄された埠頭が広がっているのです。

【了】

【なくなる前に行ってみた!】瑞穂埠頭に残る貨物専用線の面影を歩く(写真)

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1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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