レオパルト2もブラッドレーも敵わぬ“穴” 地味でも手強いロシアの「工兵」は何者か

「HIMARS」で更地にできないか?

 ザルジニーウクライナ軍総司令官は、6月30日のワシントンポスト紙で「我々はパレードのためにレオパルトを受け取ったわけでもなければ、政治家や有名人が横に立って記念撮影をするために揃えてもらったわけでもない。レオパルトは戦闘に使用するためであり、そうなれば戦場において標的になることは当然なのだ」と語っています。

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フィンランドから供与されたレオパルト2R地雷除去戦闘車(画像:フィンランド陸軍)。

 防御を固めた敵陣に損害覚悟で突撃せざるを得ないというのは、100年以上前の第1次大戦の頃と変わっていないことに戦慄します。当時は防御点を落とすのに力押し突撃ではなく、少人数で密に侵入して弱点を探りながら敵の塹壕を掃討する「浸透戦術」が取られていました。一部ウクライナ軍は現在もこの戦術を使っているようですが、高い練度と他部隊、職種との連携、偵察通信能力が必要でどの部隊でも実行できるわけではなく、戦局を好転させるほどの効果は上がっていないようです。

 ただ、実はもっと簡単に防御点を制圧する方法があります。圧倒的な砲兵火力で大量の砲弾を撃ち込んで地雷原を掘り返し、防御点を隠す木立を吹き飛ばし、集落の建物をなぎ倒して更地にしてしまうのです。かなり乱暴な戦術ですが、無尽蔵に砲弾があれば可能です。高精度のロケット砲システム「HIMARS」などが話題になりますが、従来の大砲にも仕事はたくさんあるのです。しかし実際には、砲兵に必要十分な砲弾が供給された例は戦史でもほとんどありません。

 ウクライナ軍の反攻がどこまで進捗しているか判然とせず、期待の西側戦車の活躍はあまり聞こえてきません。ロシア軍工兵は目立たず地味に確実な仕事をしているようです。

【了】

【写真】これがロシア軍「工兵」の姿です

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Writer: 月刊PANZER編集部

1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

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1件のコメント

  1. 92式地雷原処理車「呼びました?」

    多分HIMARSを1発撃つよりも安価に進路を啓開できますよ。