ジェット機でアイランドホッパー!「ミクロネシア経由ハワイ~グアム線」に乗る なぜ整備士が同乗?

アメリカ軍基地に発着するケースも

 途中に立ち寄る空港での滞在時間はおよそ50分間です。駐機位置に停止するとタラップが横付けされます。バリアフリーのタラップで階段ではなくスロープ式です。その空港で降機する乗客以外は機内に留まることが義務付けられます。

 乗客の降機が終わると保安係が機内を見回り、機内に残された全ての手荷物の持ち主が搭乗していることを確認します。持ち主が不明の手荷物は機外に運び出される仕組みです。

 保安検査が終わると新たな搭乗客を迎えて搭乗口のドアが閉まります。客室内のこうした動きと並行して機外では貨物の出し入れ、機体の点検、燃料補給が手際よく行われ、出発の準備が整えられます。

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人力で動かせるスロープ式タラップ(細谷泰正撮影)。

 なお、一部の空港では引き続き搭乗する乗客も保安検査の後、機外に出ることが可能ですが、飛行場自体がアメリカ軍基地になっているクェゼリンでは、機外に出ることはもちろん、窓から外の景色を撮影することも禁止されています。

「アイランド・ホッパー」の機内を見回すと、利用者のうち観光客が占める割合は低く、ほとんどの乗客が島民、もしくはクェゼリンの軍関係者のようでした。搭乗率は全区間を通して高いため、ユナイテッド航空では今年2月から毎週1便を追加して週3便体制で運航を始めたほどです。

 なお、このとき新たに加わった東行きの133便、西行きの132便は、途中のコスラエとクェゼリンには立ち寄らず、ポンペイからマジュロに直行するルートで運航されています。

 経由地はどの空港も巨大なサンゴ礁に囲まれており、空の上からの景観はまさに絶景です。今回の訪問地はマーシャル諸島でしたが、この「アイランド・ホッパー」を利用してミクロネシアの日本統治時代の遺構を巡るのもよいのではないでしょうか。

【了】

【なんでクーラーボックス?】「アイランド・ホッパー」で見つけた面白風景 日本じゃ見られない激レア機も(写真)

Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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