アクアラインきょう午後“値上げ” 日本初の「変動料金」で渋滞解消なるか その裏にある狙い
アクアラインが試金石になるか 高速道路の「ダイナミック・プライシング」
そもそも、ETC普通車で800円というアクアラインの料金も、国と千葉県の補助による割引で成り立っています。通常料金ならば普通車で3140円かかり、非ETC車は時間帯に関わらず通常料金が徴収されます。今回は、その割引額の調整で実施するロードプライシングというわけです。
国土交通省によると、今回は千葉県が実施に積極的で、協力を得られていることも実現に至った背景として挙げました。
アクアラインの割引料金は、2009(平成21)年から、期限を何度も延長して継続しています。この割引が、観光消費や企業の設備投資などによる大きな経済波及効果をもたらしているためです。1日の交通量は、割引前の2008年度とコロナ禍の影響を受けた2020年度を比べても約2.1倍に増加しています。
現時点での割引の期限は2025年3月31日までですが、渋滞も慢性化するなかで、割引をいつまで続けるのか、という観点もあります。ロードプライシングの結果が、その見直しにもつながりそうです。
他方、国は高速道路の渋滞状況に応じて、混んでいればそのルートの料金を高くするなどして迂回を促すような取り組みを、もっと機動的に実施したい意向です。その意味でも、今回のアクアラインはひとつの試金石になるでしょう。
なお、アクアライン上り線でのロードプライシングの結果を受けて、国は下り線での実施も検討するとしています。下り線も、土休日の午前中を中心に混雑し、首都高湾岸線まで渋滞が延びることもあります。
【了】
コメント