米軍「退役させたい」議会は反対だった? 異形の攻撃機「A-10」の行方 湾岸戦争の伝説も“危ない”評価か

独特な外観と、数々の逸話から日本でも一部の航空ファンから熱狂的な支持を受けるA-10「サンダーボルトII」攻撃機ですが、アメリカ空軍は退役させたがっているそうです。しかしそれに議会が難色示したのだとか。その理由を探ります。

意外に被害の多いA-10 現代戦では生き残れない?

 A-10攻撃機の運用が始まったのは1977年のこと。この頃、この機体に求められたのは、多くの対地攻撃兵装を搭載し、低高度で友軍地上部隊を間近から支援する、いわゆる「近接航空支援」を行える能力でした。

 一般的なジェット戦闘機と比べて長い空中待機能力と、まっすぐな直線翼に多種多様な兵装が搭載できること、そして低速・低高度での運動性能の高さを達成すべく、あのような特徴的な外見になったのです。当時の攻撃機としては最適解だったといえるでしょう。

 しかし、天敵となる地上配備の対空兵器の発達によって、このA-10の能力にも陰りが見えてきました。対空ミサイルや、センサーによって精密に照準される対空機関砲が当たり前となった現代の戦場においては、低速・低空を飛ぶA-10が生存するのは難しくなったからです。

Large 20230723 01
アイダホ州ドーウェンフィールド空軍基地に競技会の為に集結したA-10攻撃機(画像:アメリカ空軍)。

 1991年に勃発した湾岸戦争では、A-10が8000回以上も出撃しました。その戦果は確認されたものだけでも、イラク軍のトラックを1000両以上、戦車は900両以上、火砲は900門以上、ほかにも様々な攻撃目標を撃破したといわれています。

 一般的には、湾岸戦争によってA-10が攻撃機として再評価されたとなっていますが、その一方で、参加した約130機のA-10のうち半数が戦闘中になにかしらの損傷を受けており、A-10の従来の戦い方がリスキーであることを実証してしまったのです。

 実際、同戦争中には防空兵器が充実した共和国防衛隊の攻撃に参加したA-10が、赤外線誘導ミサイルによって同じ日に連続して撃墜されており(2機が撃墜されパイロット1名が死亡、1名が捕虜)、これを受け、その後の作戦運用に一定の制限が課せられています。

 今後、アメリカ軍が参戦するかもしれない戦場では、湾岸戦争よりも高度な防空兵器が存在することは間違いなく、そんな戦場でA-10の生存性に疑問が持たれるのは当然の流れといえるでしょう。

【自慢の砲が火を噴くぜ!】戦車もイチコロ 30mmガトリング砲を射撃するA-10ほか(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス