飛行能力を見せつけた!最新型の「グリペンE」はどれだけ凄いのか 世界でシェア伸ばす高コスパ機

中南米でシェア伸ばす最新型「グリペンE」

 今年のRIATでポール・ボーエン・トロフィーを受賞したブレンストロム氏が操縦した「グリペンE」は、「グリペン」の基本設計を流用して開発されました。

 このため外観は大差無く見えますが、全長は「グリペン」の14.9mからF-16を若干ながら上回る15.2mに、全幅も約20cmそれぞれ拡大されており、拡大によって生じたスペースには燃料タンクを増設して、航続距離の延伸と、兵装搭載量の増加を図っています。

「グリペン」はF/A-18「ホーネット」戦闘機と同じ「F404」ターボファン・エンジンを搭載していますが、「グリペンE」はF/A-18E/F「スーパーホーネット」と同じ「F414」ターボファン・エンジンを搭載しています。軽量な機体に「F404」よりもパワーの大きな「F414」エンジンを組み合わせたことで、「グリペンNG」はF-22などと同様、アフターバーナーを使用することなく超音速で飛行する「スーパークルーズ」能力を備えています。

また、「グリペンE」は電子戦装置なども「グリペン」に比べて強化されており、AWACS(早期警戒管制機)や地上のレーダー施設を妨害し、さらには電子的に自機の囮を作り出す機能も備える「AREXIS」の搭載も計画されています。

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RIATで飛んだ「グリペンE」。迷彩柄が異なる2種類が持ち込まれていた(画像:サーブ)。

 2023年7月の時点で「グリペンE」はスウェーデン空軍に60機、ブラジル空軍に28機(ブラジル空軍での呼称はF-39E)採用されています。

 ブラジル空軍は複座型のグリペンF(同F-39F)8機の採用も決めており、サーブはブラジル最大の航空機メーカーであるエンブラエルらと協力して、グリペンE/Fのブラジルでの製造にも着手。サーブはブラジルで製造したグリペンE/Fを、コロンビアやエクアドルなどの中南米諸国に提案する意向も示しています。

【了】

【おい背中にカマボコついてるぞ…?】RIATに持ち込まれたもう一つのサーブ機(画像)

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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