始まりは「商売人のツケ回収」!? 鉄道の「終夜運転」歴史は意外と古かった 実は大晦日以外にも

大晦日から元日にかけての風物詩と言える、電車の終夜運転。初詣客などを運ぶため、1年に1回、大都市圏で深夜も電車が走り続けます。この取り組みはいつ頃、どのようにして始まったのでしょうか。

参詣客のためなら大晦日以外にも

 この頃「大晦日以外の終夜運転」が始まっており、1905(明治38)年10月10日付東京朝日新聞は、12日に池上本門寺で行われる「お会式(日蓮の命日に行われる法要)」に参加する信徒のため、東京電車鉄道と京浜電気鉄道(現在の京急)が終夜運転を行うと伝えています。

 この法要の終夜運転、1924(大正13)年および1930(昭和5)年の新聞にも省電(国鉄)、市電、京浜が行うとの記事があるほか、戦争を挟んで1951(昭和26)年にも終電後に臨時列車を運行した記録があり、かなりの間、恒例行事だったことが分かります。

 一方、関西では明治期から「恵方詣」が定着し、大阪から見て恵方にあたる私鉄が旅客誘致に励んでいたこともあり、東京以上に鉄道を使った参詣が身近でした。そのため大正期には、西宮神社、今宮戎神社で1月10日に行われる「十日えびす」参詣者を見込んで阪神電気鉄道と南海鉄道が終夜運転を行ったことがあります。

 このビジネスチャンスを逃す手はないと、私鉄各社は参詣客の取り込みに走ります。関西では、最初は恵方に当たる年だけ大々的に宣伝していたのを、”方角の拡大解釈”が進み、ついには恵方でなくても「初詣」そのものをしようとPRするようになりました。

 ただし、この頃の初詣は元日になってから行くもので、前夜から乗り込むスタイルは一般的ではありませんでした。大祭や業務、祝事など必要に応じて行われてきた終夜運転はまだ、単に大晦日だからという理由では行われなかったのです。

【画像】ヤバイ…! これが「終戦直後の通勤風景」です

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