古い機体とそっくり…? 空自の最新空中給油機KC-46 性能は段違いだが似ている理由は“汚職事件”って?
KC-767運用するイタリア空軍も導入を検討
このようにKC-46Aは、KC-767よりも新しく、かつ再設計されているため、一見すると似ているものの、全長と全幅の両方で大型化しており、燃料搭載量についてはKC-767の72.877tに対してKC-46Aは96.297tと約24tも増えています。
航空自衛隊では2013年に策定された25防衛大綱に基づいて新しい空中給油機の追加購入を決定。新しい機体の選定を行った結果、この新しいKC-46を購入することを決めました。
アメリカ空軍はKC-46Aを約170機以上も導入する予定で、2023年6月現在ですでに68機が納入されています。また、イスラエル空軍も4機の購入を契約済となっています。
KC-767を運用する航空自衛隊も、KC-46をすでに2機導入して鳥取県の美保基地にて運用中です。また、さらに4機が契約済となっており、これらは2024年までに納入される予定です。今後はKC-767とKC-46を合わせて運用していくことになります。
なお、日本とともにKC-767を導入したイタリア空軍については、サポート契約をボーイング社と2025年まで契約しているため、当面は運用を続ける予定です。しかし、将来的にはKC-767AをKC-46相当の性能に引き上げる近代化改修を実施するほか、さらに2機のKC-46をKC-767Bの名称で新規導入して、航空自衛隊と同様にこれらを組み合わせて運用することを計画しているそう。
ただ、KC-767Aを改修するのは費用や技術面で問題があり、現在ではKC-767Bを6機導入して、従来のKC-767Aをボーイングに下取りとして出す案もあるそうです。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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