これは踏切なの? 「宇都宮LRT」道路との交点に遮断機なし 代わりにあるものとは 開業まもなく
まもなく開業する芳賀・宇都宮LRT。全長15km弱のうち約3.5kmの電車のみが走る専用軌道区間には、道路との交点があるものの、遮断機や警報器はありません。これは「踏切」と見てよいのでしょうか。
実質的には踏切
栃木県宇都宮市と芳賀町で2023年8月26日(土)、新しい路面電車「芳賀・宇都宮LRT」(ライトライン)が開業します。昭和30年代から40年代にかけて、国内では多くの路面電車が運行されてきましたが、その後はマイカーに押されて衰退。このほど開業するライトラインは国内で75年ぶりとなる、ゼロから路面電車が敷設された路線となります。
ライトラインは宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間を結び、全長は約14.6kmです。そのうち約11.1kmは、路面電車が道路上を自動車と一緒に走る、いわゆる併用軌道区間。残りは電車しか走ることができない専用軌道で、約3.5kmです。ちなみに専用軌道区間の大半は、緊急車両などが走行できるように路面が舗装されています。そのため、市などの公称では専用軌道ですが、法令上は併用軌道の扱いです。
開業間近の7月下旬、筆者(小川裕夫:フリーランスライター・カメラマン)はライトライン全線沿線を自転車で走り、習熟運転の様子や電停、沿線の風景などを見てきました。気になったのは、専用軌道区間で道路と交差するのに、遮断機や警報器などが設置されていない箇所が散見されたことでした。
このような箇所は、一般的な鉄道ならば踏切と称されます。2023年現在は原則、踏切の新設は認められていないため、ライトラインでは踏切のような扱いとなっていないわけですが、クルマや自転車、歩行者は自由に線路を横断できます。実態としては踏切と見られるでしょう。
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