そういえば「チャレンジャー2」戦車どこへ? 英のウクライナ供与決定から姿見せない理由
ロシアの最新型戦車が登場した時の切り札か
砲塔の代わりにガラス張りのキャビンを備えた走行訓練用の教習車、コンピュータ画像を駆使したデジタル・シミュレーター、現物を扱う実地教育などが厳しく行われている様子は、「チャレンジャー2」がNATO(北大西洋条約機構)諸国によるウクライナへの戦車提供のキック・オフのケースという観点からも各種メディアにリリースされていますが、やはりプロパガンダ色の強いものといえそうです。
ちなみに、2両や4両単位といった複数のチャレンジャー2による連携戦闘訓練や、負傷兵の車内からの搬出訓練などは映像化されていないようです。
ウクライナ軍の反転攻勢におけるチャレンジャー2の運用状況は、現在のところ聞こえてきません。前述したように戦車としては有力な車種ながら供与台数が少ないゆえ、投入すべき時期や戦況が慎重に検討されているのかもしれません。
もしかしたら、その重装甲と大火力が評価され、ロシア最新のMBTであるT-14が前線に姿を現した際の「対抗馬」として用いるべく、温存されている可能性もあるのではと筆者(白石 光:戦史研究家)は考えています。
【了】
Writer: 白石 光(戦史研究家)
東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。
単に弾が無いだけ。
この戦車だけ、独自の120mmライフル砲だからね。