「北陸新幹線vs高速バス」敦賀延伸でどう変わる? 鉄道の乗換え増でチャンス拡大…とも言い切れない理由

北陸新幹線の金沢~敦賀間が延伸開業すると高速バスはどうなるでしょうか。過去には新幹線の開業を契機に撤退した路線もあれば、逆に商機を得たケースもあります。今回は北陸から東京、名古屋、大阪それぞれで“明暗”が別れそうです。

高速バスもっと伸ばせる!「名古屋線」

 まず金沢~名古屋、福井~名古屋線。鉄道だと現在でも、米原で新幹線と在来線特急の乗り継ぎ(名古屋~米原も在来線特急を使う場合は、米原で座席の向きの転換)が必要で、今後はさらに敦賀でも乗り換えが発生します。途中2回乗り換えても所要時間の短縮効果は福井~名古屋で3分、金沢~名古屋でも16分に留まると発表されており、高速バスにとってはシェア獲得のチャンスです。

 ただ、前述の福岡~熊本などの場合、割引率が大きく使い勝手もいい在来線特急の割引乗車券が新幹線開業により廃止され、鉄道の実勢価格が大きく上がったのに対し、現在販売中の金沢・福井からの「名古屋往復割引きっぷ」の割引率は、もともとあまり大きくありません。新幹線開通がさほど「値上げ感」につながらない可能性が考えられます。

 実は、鉄道が大幅な割引きっぷを必要とするほどには、この区間の高速バスのシェアが大きくはなかったのです。

 高速バスの所要時間が3~4時間の路線で見ると、東京~いわき(福島県)、新宿~長野、松本(長野県)、福岡~大分、長崎などの路線で、現地発の始発便は早朝4~5時台に発車し都市側へ9時前に到着、都市側からの最終便の現地到着は24~25時台に設定されています。

 しかし金沢・福井における現在の高速バスダイヤは、それぞれの都市からの始発が名古屋に着くのが10時前後、名古屋発の最終が福井に着くのが21時台、金沢でも23時台です。これでは金沢、福井側在住の人にとって利便性は今一つです。

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福井を拠点とする京福バスの高速バス車両。東京線のほか名古屋線を運行。大阪線は運休中(乗りものニュース編集部撮影)。

 さらに地方部は「クルマ社会」のため、いわき中央IC、松本ICなどに大きなパーク&ライド駐車場が用意されています。ここから乗車すればバスはすぐに高速道路に入るので、自宅から大都市へのトータルの所要時間では鉄道とあまり変わりません。しかし、松任海浜公園停留所(石川県白山市)や福井駅前に駐車場があるものの、金沢市や福井市の高速道路沿いでパーク&ライドに対応できていません。

 逆に言えば、もともと高速バスに成長の余地が残っていたということです。さらに福井~名古屋では、中部縦貫道の建設が進んでおり、現在の米原JCT周りルートに比べ高速バスの所要時間短縮が期待されます。運行事業者の共同運行関係が複雑で調整が難しそうな印象はありますが、新幹線開業を前に運行ダイヤや便数、ルート、リピーター向けの還元策などの見直しに真剣に取り組めば、一気に大きなシェアを獲得できるチャンスがあると言えるでしょう。

【え…ココ?】高速バスにも便利な「地の利最強の新幹線新駅」(写真)

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