「北陸新幹線vs高速バス」敦賀延伸でどう変わる? 鉄道の乗換え増でチャンス拡大…とも言い切れない理由

どうにも鬼門な「大阪線」 高速バスのアキレス腱

 一方の大阪方面。高速バスに不利な点が2つあります。

 まず、湖西線経由の特急に比べ米原JCT周りの高速道路は遠回りで、鉄道との所要時間の差が大きいことです。また金沢~大阪線は、乗務員の拘束時間や実車距離が法令で定められた上限を超えるため、ワンマンで日帰り運行できず、泊まり勤務が必要です。高速バスの運行コスト中、人件費が最大の比率を占めるので、乗務員が1日に1往復できるか、1日に片道分しか担当できないかというのは、競争力に大きく影響します。

 これまで金沢~大阪、福井~大阪の高速バスは今一つ成功せず、高速バスの“鬼門”とも呼ばれてきました。

 ところが2023年7月、近鉄バスが、グループ会社の北日本観光バスと共同運行で金沢線を運行開始しました。しかし、双方が泊まり勤務で1往復ずつというダイヤで、ターゲットが明確ではありません。高速バス利用者の多くは地方側在住者なので、両社でダイヤを工夫し、まずは“石川県在住の人の大阪への足”として、早朝発を含む金沢を午前発と、大阪を午後発、それもなるだけ遅い時間帯に便数を確保できるようリソースを集中すべきです。

 いまどきの高速バスですから、パーク&ライドは、金沢市内にある北日本観光バスの本社営業所で準備されました。しかし、ここからバスに乗車すると金沢駅前を経由して高速道路に乗るまで一般道を走ることになり、相当な時間のロスになります。同社が運行する金沢~東京線は夜行路線のため所要時間は気になりませんが、昼行の大阪線ではそうはいきません。金沢駅を出た後、高速道路のIC付近にパーク&ライド駐車場が欲しいところです。

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近鉄バスの車両。7月に北日本観光バスとともに金沢~大阪線を新設したが、9月には1往復減便となった(画像:近鉄バス)。

 また、同社は貸切バス分野で長い歴史のある老舗ですが、路線バスのほか流通業など生活関連産業を幅広く展開し「地元の名士企業」とされる一般的な乗合バス事業者とはタイプが異なります。路線バス車内やグループ会社での告知、地元メディアでの露出が難しい分、ウェブマーケティングなど新しい手法を使い、石川県での認知を拡大させることが求められます。

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