世界を凌駕? 日本の「水上機」実力比較 旧海軍のこだわりには“悲しい現実”も

旧日本海軍は、二式水上戦闘機や零式観測機、二式飛行艇など優れた水上機を多数開発しました。その性能は同時期の他国の水上機と比較して、どの程度だったのでしょうか。ジャンルごとに数値で比較してみました。

水上機のボリュームゾーン 偵察&観測仕様

 では第2次世界大戦における水上機のボリュームゾーンといえる偵察機や観測機は、どうだったのでしょう。

 まず、日本の機体というと、「零式三座水偵」の略称で知られる零式水上偵察機が挙げられます。同機は1940年に開発、太平洋戦争ではさまざまな艦船に搭載され、また各地の水上機基地でも運用されたメジャー機です。エンジン単発、3人乗りで、性能は最高速度376km/h、航続距離3326km(最大)、固定武装として7.7mm機銃を1丁備えたほか、60kg爆弾4発または250kg爆弾1発を搭載し、対潜水艦攻撃などにも使用することができました。

 また、零式水上偵察機とともに戦艦などに搭載されていたのが零式観測機です。同機は「観測」と呼ばれていることからわかるとおり、戦艦を始めとした主力艦の弾着観測などに使用するために開発された機体で、航続距離よりも軽快な運動性が特徴でした。やはり1940年に開発され、エンジン単発であるものの、乗員数は2名、最高速度は370km/hで航続距離は1070km。武装は7.7mm機銃3丁で、翼下には60kg爆弾を2発搭載することができました。

 なお、旧日本海軍は太平洋戦争中ごろに、より高性能な水上偵察機として「紫雲」を開発しています。同機はエンジン単発で、乗員数は2名、最高速度は468km/h、航続距離1408km、7.7mm機銃1丁を搭載していました。

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旧日本海軍の零式水上観測機(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)。

 一方のアメリカ海軍は、太平洋戦争勃発直前の1939年にOS2U-1「キングフィッシャー」偵察・観測機を採用しています。同機はエンジン単発で2人乗り、最高速度は282km/h、航続距離1634kmで、固定武装は7.62mm機銃4丁、また146kg爆弾2発を搭載可能でした。

 この「キングフィッシャー」の後継として大戦後期の1944年に登場したのがSC「シーホーク」観測機です。同機は一見すると旧日本海軍の二式水上戦闘機によく似ており、構造もやはりエンジン単発で1人乗りです。また観測として開発されたものの、水上戦闘機としても通用する高性能を誇っており、最高速度は503.7km/h、航続距離は1006km、固定武装も12.7mm機銃2丁を備えるほか、146kg爆弾を2発搭載できました。

 イギリスに目を転じてみると、同時期の水上偵察・観測機としては1937年に採用された「シーフォックス」が挙げられます。エンジン単発で2人乗り、ただ性能は日米の水上機と比べるとかなり低く、最高速度は200km/h、航続距離は710kmであり、武装も7.7mm機銃1丁のみでした。

 なお、これら日米英の水上機と比べるとだいぶ知名度で劣るものの、性能的には米英に勝るとも劣らないといえるのが、旧ソ連海軍のBe-4です。同機は1940年に初飛行した飛行艇構造の艦載用水上機です。エンジン単発で乗員は3名、最高速度は356km/hを発揮し、航続距離は1150km、武装として7.62mm機銃を2丁装備するほか、400kg爆弾2発を搭載することができました。

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