世界を凌駕? 日本の「水上機」実力比較 旧海軍のこだわりには“悲しい現実”も
異色の出来! 零式小型水偵&二式飛行艇
また太平洋戦争(第二次世界大戦)当時、日本をはじめとした一部の国では、作戦遂行能力の向上を狙って、潜水艦に折り畳み式の小型水上機を搭載するといったことも行っていました。
1938年に初飛行した旧日本海軍の零式小型水上偵察機はエンジン単発の2人乗り、最高速度は246km/hで航続距離は882km、7.7mm機銃を1丁搭載し、小型ながら60kg爆弾を1発搭載することができました。
そして大戦末期に登場した「晴嵐」は最高速度474km/h、航続距離1540kmで、13mm機銃1丁、800kg爆弾1発搭載可能という性能を有していました。
ひるがえって他国の潜水艦搭載用の水上機はどの程度だったかというと、フランスのMB.41は最高速度185km/hで航続距離は345km、ドイツのAr231は最高速度170km/hで航続距離は500kmです。なお、両機とも非武装でした。
これらを見比べると、「晴嵐」がダントツの高性能ですが、零式小型水上偵察機も他国の潜水艦搭載用の小型水上機と比べ高性能であることがわかるでしょう。
では逆に、エンジンを複数搭載した大型飛行艇へ目を転じてみましょう。
旧日本海軍の大型飛行艇というと、九七式飛行艇と二式飛行艇が挙げられます。両者とも複数のタイプが開発されているため、前者は最終量産型の二三型、後者は最多量産型の一二型で見てみます。
九七式飛行艇二三型は最高速度385km/h、航続距離6771km、20mm機銃1丁、7.7mm機銃4丁、爆弾2tもしくは魚雷2本を搭載可能でした。また二式飛行艇一二型は最高速度465km/h、航続距離8223km、武装は20mm機銃5丁に7.7mm機銃4丁と多く、かつ爆弾1tもしくは魚雷2本を搭載できました。
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