速いしめっちゃ飛ぶ!「ロケット戦闘機」なぜ廃れた? その“当然すぎる理由”とは
戦中・戦後とロケット戦闘機は研究されるが…
ドイツの敗戦間際には、Ba 349「ナッター」というロケット戦闘機も登場しました。同機は戦闘後、エンジンを分離して再利用し、パイロットは脱出するというシステムでしたが、部隊配備されたのは1945年4月だったために実戦参加はなかったとされています。
また、旧日本陸軍でも「コメート」の図面を参考に、局地戦闘機「秋水」の開発が行われましたが、実戦投入されることはありませんでした。
第二次世界大戦後も、アメリカやイギリス、ソビエト連邦ではロケット戦闘機の研究が続けられました。さすがにヒドラジンで飛ぶことはなくなりましたが、推進剤の内容物が変わってもトラブル時にエンジンが爆発、炎上する危険性などはロケット推進剤の特性として残りました。
さらに航続距離の問題も改善できずにいたため、イギリスではロケットエンジンの推力の高さでいち早く高度を確保し、ジェットエンジンで飛行するという混合動力機を搭載したアブロ 720という機体も1950年代に考え出されますが、実用化には至りませんでした。
結局、ロケットエンジンを搭載した実験機の研究は、1960年代以降になるとジェットエンジンが発達、より高高度かつ高速になってきたこともあり行われなくなります。
ちなみに、初めて音速の壁を超えた飛行機であるベルX-1は、ジェットエンジンではなくロケットエンジン搭載機でした。また、2023年6月29日に商用宇宙飛行を実現した、「スペースシップツー」は、宇宙旅行向けの機体ですが、弾道飛行スペースプレーンという、ある程度の高度で親機から射出するタイプであるため、形状としてはロケット飛行機に近い見た目をしています。
【了】
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