初の一般公開「陸自オスプレイ」…あれ、米海兵隊のと違う!? 独自の装備“背中のコブ”は何のため?

千葉県の木更津駐屯地に配備された陸上自衛隊のV-22「オスプレイ」。機体後部を見るとアメリカ軍の「オスプレイ」にはない丸い皿らしきものとフレームがあります。日本独自の仕様、役割は何なのでしょうか。

背中に付けた大きなコブは?

 続いて丸い方、コブのようなものは衛星通信アンテナ「SATCOM」になります。大気圏外にある「スーパーバード」や「きらめき」などといった通信衛星を利用して交信するためのもので、陸上自衛隊が保有する航空機では、CH-47JA「チヌーク」輸送ヘリコプターの海外派遣仕様機や、同じく「チヌーク」の沖縄仕様機、LR-2指揮連絡機、EC-225LP要人輸送用ヘリコプターなどにも同様の衛星通信装置が搭載されています。

 なお、これら従来の陸上自衛隊の航空機に搭載されている衛星通信用アンテナ(ドーム)と比べると明らかに大きいため、もしかしたら海上自衛隊のP-1哨戒機や航空自衛隊のC-130H輸送機などに搭載されているのと同様のアンテナかもしれません。

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アメリカ海兵隊が使用するMV-22「オスプレイ」。陸上自衛隊の機体が装備するような大型アンテナは設置されていない(画像:アメリカ海兵隊)。

 この衛星通信装置があれば、たとえ洋上や海外などの遠隔地で、駐屯地や基地など拠点になる場所から離れて活動していても、確実に通信が可能です。HFアンテナと違って不感地帯は発生せず、通信衛星を使うため、東京の防衛省を始めとして日本本土の駐屯地や基地と連絡を取ることができます。また略語や暗号を使用しないと交信内容が傍受されるHFと違い、通信内容の秘匿も可能です。

 こう聞くと、衛星通信アンテナさえあればHFアンテナは必要ないように思えます。なぜ2種類のアンテナを用意したのでしょうか。これについては、もし有事が発生した場合、仮に宇宙にある通信衛星が破壊されても交信できるようにしているものと考えられます。

 ちなみに、衛星通信用のアンテナは実はアメリカ軍の「オスプレイ」にも装備されています。陸上自衛隊の「オスプレイ」とは形が違うため判別しにくいものの、アメリカ軍機も衛星通信は可能です。

【気になる機内は?】飛行機と一緒なのか「オスプレイ」の操縦席ほか(写真)

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