「うるさくて眠れん…」思い出の“騒音ブルトレ”14系客車なぜ誕生? 夜行バスとの戦いも
特急形だけど急行でデビュー
14系寝台車は1971年の登場時、急行「瀬戸」で試験運行されました。試作車にのみ蒸気暖房管と電気暖房引き通し線が備わっており、従来形客車と編成を組めるようにされたのです。
翌1972(昭和47)年より、特急形座席車タイプが登場します。183系電車と同等(14系は荷物置き場も備わる)の2+2列簡易リクライニングシートを備えた車両で、普通車のみ製造されました。
同年、寝台特急「さくら」「みずほ」「あさかぜ」が運行開始すると14系も運用され、本来の活躍を見せるようになります。しかしこの年、北陸トンネルで列車の火災事故が発生し、火元になる発電機を床下に置くのは危険とされ、14系の増備は中断してしまいます。
とはいっても上述した通り、電源車を復活させては分割併合に不向きのため、防火対策を強化した14系が1978(昭和53)年から製造されます。新型14系は15形として、2段寝台となりました。
A寝台以外は3段寝台だった従来の14系も、寝台特急の需要減少を受けた1980年代初頭より、2段寝台に改造されます。この需要減少は深刻で、1984(昭和59)年の4人用B個室寝台「カルテット」を皮切りに、2段寝台化だけでなく個室寝台に改造される車両が増えていきます。1989(平成元)年には寝台特急「北陸」に、1人用A個室寝台「シングルデラックス」、1人用B個室寝台「ソロ」を設置。ミニロビーには共用シャワー室も取り付けられました。
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