「うるさくて眠れん…」思い出の“騒音ブルトレ”14系客車なぜ誕生? 夜行バスとの戦いも

バブル期に誕生した豪華客車

 1990(平成2)年には、共用シャワー室を備えた「シングルデラックス」が寝台特急「あさかぜ」「瀬戸」にも連結されました。翌1991(平成3)年には、「出雲2・3号」に「シングルデラックス」と1~2人用個室寝台「シングルツイン」、2人用個室寝台「ツイン」を備えた個室寝台車も投入されました。

 また、夜行列車向け座席車の改良も行われます。1988(昭和63)年には夜行急行「まりも」で、グリーン車用座席を改良した「ドリームカー」が改造されて登場。1986(昭和61)年より、高速バス対策として14系座席車を連結していた寝台特急「あかつき」では1990(平成2)年、より豪華な1+1+1列大型リクライニングシートを備えた「レガートシート」への改造も行われました。1997(平成9)年には夜行急行「はまなす」用として、「はまなすカーペットカー」にも改造されています。

 内装を大幅に変え、団体用客車となった車両も存在します。冒頭でも紹介した「サロンカーなにわ」と「サロンエクスプレス東京」は、豪華な車内設備が話題となり、特に「サロンカーなにわ」はお召列車でも使われました。これは現役です。

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東武鉄道の観光列車「SL大樹」に連結される14系(安藤昌季撮影)。

 そのほか「ホリデーパル・サロンカー」(1984年)、「スーパーエクスプレスレインボー」(1987年)、「あすか・イベントカー」(1987年)、「リゾート・シュプール」(1988年)、「ユーロライナー増備車」(1990年)、お座敷客車「浪漫」(1995年)など、バブル期に改造された14系が多くあります。

 ちなみに私鉄でも、東武鉄道が観光列車「SL大樹」として、ほぼオリジナル内装の14系座席車を運行しています。前型の12系客車と比較しても数を減らした14系ですが、末永い活躍を祈念したいものです。

【了】

【え…!】見違えるほど豪華に改造された14系客車

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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